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2015年12月28日 (月曜日)

女子高生の制服を盗む犯罪

マスコミではいろいろと騒がれている。

制服フェチというのかどうか知らないが,昔からそういう犯罪はある。異常性欲の一種として理解されることも多い。そういう面があり得ることは否定しない。

私は,窃盗犯である以上,その経済的な意味での被害に着目したい。

一般に,高校の制服は安くない。基本的に,比較的高価なものだ。

家庭に資金的余裕があるのであれば新調すれば良いだろう。しかし,景気低迷が続き,賃金が低下している現下の状況の下では,制服1着を買うだけで家計に大打撃を受けてしまうような世帯がいくらでもある。

事案の話題性にとらわれて,制服窃盗による経済的な被害を軽く見積もってはならない。

中には経済的余力がなく,しばらくの間,制服を新調できなかった家庭もあるだろう。

制服が定められている高校では,制服を着用しないで登校すると,生徒自身に何の責任もなくても担任教員等から叱責されたり,周囲から妙な目で見られたりすることがある。生徒自身が非常に嫌な気分を味あわされ,場合によっては登校拒否といった事態に至ることもあり得る。そのような副次的被害が発生し得るということも理解しなければならない。

この事件の担当担当裁判官がどのように考えようと,それは裁判官の自由なのだが,私は以上のように考える。

マスコミとしては,事案の面白さだけを強調するのではなく,このような事案がいかに悪質な窃盗事犯であり,その経済的打撃が深刻なものとなり得るかということを十分に理解した上で報道してもらいたいものだ。話題性だけで記事を書くことなら,どこかの三流国の新聞等でもできることではないか。

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