« 税関係の書類は全部違法かもしれない | トップページ | 米国:iYogiに対し,消費者に対する欺瞞行為幇助の疑いで訴追? »

2015年12月17日 (木曜日)

改正個人情報保護法2条3項の「要配慮個人情報」

改正個人情報保護法2条3項は,「要配慮個人情報」の定義として,「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」と規定している。「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実」は例示に過ぎず,不当な差別を生ずるおそれのある情報は全て「要配慮個人情報」に含まれ得る。

欧米では比較的容易に定義できるかもしれない。

しかし,漢字を用いる東アジアでは異なる。

漢字1文字だけである特定の少数民族しか用いない姓や名であることが判明してしまうことがあるからだ。

解決策としては,漢字による情報の取得を全面的に禁止し,ローマ字による取得のみを認めることとするしかないように思う。

他方,本人確認のために免許証の提示を求める場合,その裏面を読むこと及びその裏面のコピーを提出させることは違法となる場合があり得る。私は「優良」運転手であり,裏面には何の記載もないが,交通違反歴を有する者の場合にはその記載があるからだ。これも「要配慮個人情報」となる。

更に,男女の別についての情報取得は原則として禁止すべきだろう。世間には,外貌,本人の意識,遺伝子の全部が食い違っていて一致していない人々が結構多数存在する。つまり,男女の相違を示す情報は,差別の原因となり得る。

こういう具合に数えきれないほど多数の問題がある。

蛇足になるが,「政令」によって差別の可能性のある情報の種類を限定してしまった場合,それ以外の種類の情報により著しい差別が発生したときは,国家賠償責任の原因となり得ると考える。無能に起因して政令の規定を誤った場合には,当該政令等を策定した公務員も厳しく罰せられるべきだろう。

たぶん,象形文字である漢字文化や東アジアの長きにわたる苛烈な歴史を知らず,生物学や遺伝子科学を全く知らない人々が空理空論で個人情報保護法制を論じているからこういうことになるのだろうと思う。

|

« 税関係の書類は全部違法かもしれない | トップページ | 米国:iYogiに対し,消費者に対する欺瞞行為幇助の疑いで訴追? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 税関係の書類は全部違法かもしれない | トップページ | 米国:iYogiに対し,消費者に対する欺瞞行為幇助の疑いで訴追? »