種々薬帳
正倉院に「種々薬帳」という薬物のリストが残されている。
当時の薬方を知るための貴重な客観的な資料だといえる。
下記のところに詳細な解説がある。
正倉院の『種々薬帳』 真柳誠
http://mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/paper04/shiryoukan/me091.html
『種々薬帳』に含まれている薬物は,すべて舶来品であるというところが非常に興味深い。しかも,1品を除き,全て中国から輸入されたものだ。すなわち,この『種々薬帳』に記録されている薬物に関する限り,朝鮮半島の影響は基本的に存在せず,そのほぼ全てが聖武天皇当時の古代中国から伝来したものと考えるのが正しい。
例外となる1品とは「新羅羊脂」 で,現存するものがないので確実ではないが,名前から推測すると,当時の新羅には羊を飼育する西域系遊牧民が多数存在したことを推知することができる。
日本の古代史にも登場する「羊」については諸説あるが,西域系の人々を祖とする集団だったという可能性は否定されない。
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