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2015年10月19日 (月曜日)

因果関係

ある疾病Dが存在すると仮定する。

Dの直接の原因はPであることが知られているとする。

Pは様々な要因で発生することが知られており,F及びMもその要因の一つであると仮定する。

そして,その他の未知の要因をXとする。

このような関係が成立する場合において,疾病Dが発生し得る過程としては,次の4通りを考えることができる。

1) M → P → D

2) F → P → D

3) F+M → P → D

4) X → P → D

さて,このような関係が肯定される場合において,疾病Dが発生した当初は,次のように推定されていたと仮定する。

5) M → D

その後,「F→D」の症例も存在することが判明し,更に検討した結果,「P→D」が正しく,2の「F→P→D」が成立可能であることが論証されたと仮定する。

2の「F→P→D」が成立可能であることが論証された場合,5の「M→P→D」は否定されることになるだろうか?

私は,「M→Pは決して成立しない」ということが論証されない限り,「M→P→D」の可能性が否定されることはないと考える。

ところが,いろいろと読んでみると,「P→D」及び「F→P→D」が証明されたというだけで,「M→P→D」の可能性が「完全に否定された」と書いてあるものがある。

そのような屑論理をふりまわす者の中にはMの研究・製造等にかかわっている者が決して少なくない。

一般に,世間では,こういう例を「欺瞞」または「隠蔽」という。

このような「欺瞞」が成立する要因の一つとしては,「わかりやすい論理」や「自分に納得しやすい論理」や「自分にとって都合のよい論理」を何らの検証もしないままほぼ自動的に受け入れてしまうという一般的な傾向があると考えることもできる。

なお,頭が悪すぎて上記のことを理解できずに他の誰かの論説や言説等をうけうりして「完全に否定された」と書いているだけの者を責める気は全くない。頭のよしあしの有無・程度は基本的に遺伝子によって決定されるものなので,その者の意思によるものとしての責任に帰することができない。

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