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2015年10月17日 (土曜日)

オーストラリア:BRCA1遺伝子特許について,連邦最高裁が,当該遺伝子は細胞を提供した患者の所有物であるとの判断

下記の記事が出ている。

 Landmark High Court ruling on BRCA1 gene patent as pensioner wins legal case
 Sydney Morning Herald: October 7, 2015
 http://www.smh.com.au/national/health/landmark-high-court-ruling-on-brca1-gene-patent-as-pensioner-wins-legal-case-20151006-gk2wvu.html

 Genes can’t be patented, rules Australia’s High Court
 New Scientist: 7 October, 2015
 https://www.newscientist.com/article/gene-patents-struck-down-by-australias-high-court/

この特許だけではなく,偽発明特許がいっぱいある。

自然界の生物(人間を含む。)から得られた細胞の中から選択しただけでは何ら発明したことにはならないのは当然ことだろうと思う。

様々な遺伝子組換え作物の特許の中にもそのような例があり,単に選択しただけなのに発明と偽っているものがある。

遺伝子組換えに用いる細胞もそうで,単に選択したのに過ぎないのに,発明として特許化されている例が非常に多数ある。

例えば,自然界にはデルフィニジンやアントシアン等の綺麗な色素を生成する遺伝子がいくらでもある。ごく普通のありふれた自然現象の一部だ。その中からどれかを選択して培養しても,それだけでは何も発明していないことになる。にもかかわらず,この手の特許がかなり多数ある。

全て無効だと考える。

[追記:2015年10月23日]

関連記事を追加する。

 Australia: Can a gene mutation be patented? High Court says no
 mondaq: 20 October, 2015
 http://www.mondaq.com/australia/x/436114/Patent/Can+a+gene+mutation+be+
patented+High+Court+says+no

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