王毓紅『羊書 一種象形表意石頭文』
亜東書店に注文していた下記の書籍が届いたので読んだ。
王毓紅
羊書 一種象形表意石頭文
商務印書館(2012)
ISBN 9787100089807
中国の賀蘭山にある岩絵を研究した書籍だ。
数種類の要諦類(山羊・羊の類)の絵やそれを狩猟する人々の絵が残されている。
無論,後世に彫り加えられた悪戯のようなものもあるだろう。ここらへんは,常に「マラケシュの贋化石」のことを想起しなければならない。
しかし,これらの点を考慮に入れても,これだけ網羅的に写真や拓本を収録した書籍を日本で手に入れることは難しいので,とても助かる。
ただ,羊の絵を文字や書の一種(象形文字の一種)と解する点については反対ではないが,その解釈がかなり恣意的ではないかと思った。想像の部分が多すぎる。更に検討が必要なのではないだろうか。
ちなみに,中国の古代神話に出てくる伝説の「女媧」の山とは,この賀蘭山のことを指すのではないかと考えたりすることがある。もし賀蘭山でないとすれば,もっと西方のバクトリアのあたりかもしれない。
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