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2015年8月 5日 (水曜日)

非科学を強制し,真の血統を有する者の権利を否定する明白に憲法違反の法案

下記の記事が出ている。

 「産んだ女性が母」法制化へ 自民党部会 今国会で提出めざす
 産経ニュース:2015年8月5日
 http://www.sankei.com/life/news/150805/lif1508050022-n1.html

明白に憲法違反なので,論ずる余地なし。

そうは言っても,論理や理性といったものが全く通用せず,司法試験の受験者に論理の重要性を説くことが空しくなるような政治的状況の下にあることは間違いない。シナプスの構造上,滅びるまでわかることはないのだろうという点では敗戦前の状況とあまり変わらない。

それゆえ,この法案が可決される可能性はある。

しかし,仮に法案が成立しても世界のジェンダーの基本的な潮流と完全に矛盾することになる・・・と言っても,それさえも理解できないのだろうと思う。

男性も女性も氏素性も血統も門地も全く関係なく,完全に平等をめざすのであれば,判断基準をDNAに求めるしかない。これ以外の結論はあり得ない。個人の心情や欲望は全て無視しなければならない。

しかし,現実には正論は無視される。

日本は悲しい国だ。

(追記)

非常に近い将来,人間は子供を産まなくなる。

完全な人工子宮が完成するからだ。

さて,どうなることやら・・・

[追記:2015年8月8日]

産科学会は代理出産について反対意見を表明している。

 代理懐胎に関する見解
 平成15年4月
 日本産科婦人科学会
 http://www.jsog.or.jp/about_us/view/html/kaikoku/H15_4.html

私は,この意見に賛成する。

子の人格権を最も尊重しなければならない。

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コメント

江藤貴紀さん

まあどんな人工知能ができあがるかにもよりますが・・・

一般論としては,最適解は「最適」でなければいけないので1個だけしか存在が許されません。

その結果,複数の人工知能が併存する状況は,人工知能間のサイバー戦によって数分程度で解消されることになるでしょう。その結果,最終的に勝利をおさめた人工知能が最適解を宣言する特権を得ることになり,全てを支配するという「単一化」の様相を示すことになるだろうと思います。「単一化(Unification)」については,『ネットワーク社会の文化と法』で述べたとおりです。

以上のような人工知能間でのサイバー戦が可能な程度まで人工知能が発達した状態では,人類は類人猿未満の扱いしか受けなくなるので,必ず抹殺されることになるという結論以外の結論はあり得ないと考えています。抹殺される人類の中には,当然のことながら,エンジニアも含まれます。

投稿: 夏井高人 | 2015年8月12日 (水曜日) 16時44分

夏井高人様

仮に①裁判までが機械によって出来る段階に至るとして、②なおかつまだ人工知能エンジニアは人間であるとすると、「正しい倫理コードはこれである」とエンジニアに指導する(そしてそのコードの中身を学会で議論する)のが学問になるという気がします。

一方、権威に従うのをよしとせず、エンジニア自身で、自己の良心に従った倫理コードをプログラムに組み込む跳ねっ返りのエンジニアもいそうです。

この倫理コードについての議論は収拾が付きそうにないので、単一ではないコードが埋め込まれた、裁判官マシーンなどが世界に並列する、となりそうですね。

投稿: 江藤貴紀 | 2015年8月12日 (水曜日) 16時14分

江藤貴紀さん

本当のことは書けません(笑)

****

判例変更がなされることがときどきあります。

変更される判例が無効でなければ,判例変更もあり得ないことになるので,無効な判例は存在することになります。

これは,小学生でも理解できる初歩の論理学に属します(←理解できない人は,小学生程度の知能もないものと自覚すべきでしょう。)。

無効な判例となる判決をした最高裁判事は,無効な判断をしたことになりますが,決して認めることはないでしょう。

最高裁判事は神ではなく人なので,そもそも無謬なわけがないのですが,「自分が悪い」とか「自分が間違っていた」とか認めることには耐えられません。自尊心が強すぎると評することもできるでしょう。

ですので,人類の文明の最終段階では,人間による裁判を放棄しなければならないかもしれません。人間による限り,欲望や錯誤や無知によって判断が歪むことを避けることができないからです。

その時点に至る少し前の段階では,「人工知能エンジニアが神で裁判官はゴミ」ということになっているかもしれません。では,その時点では,学者は・・・?(笑)

投稿: 夏井高人 | 2015年8月 6日 (木曜日) 10時36分

夏井高人さま

*自分の論理学の能力も大してなく、以下は単に私の経験を羅列したセンテンス群になります。

①推定と擬制の違いは、学部の頃に習ったことがあります。②あと憲法(総論と人権)の授業では「法律はアナロジーの学問である」とも教授が言っていました。③また憲法の条文で23条があったことも記憶しています。④ですが教授から「判例は神。学説はゴミ」という言葉も授業でならったことがあります。

以上だけだと、論理的な繋がりはありません。

江藤貴紀

投稿: 江藤貴紀 | 2015年8月 6日 (木曜日) 10時10分

江藤貴紀さん

本当のことは書けないので・・・

****

以下は,あくまでも論理学の練習です。

最高裁判事の中で裁判官出身ではない最高裁判事は民法上の推定と擬制の相違の違いを知りません。それゆえ,法律学の基本を無視した極めて異常な判決をしました。私は判例としての拘束力の全くない無効な判決だと思っています。

無効であれ有効であれ,このような異常な判決の論理が存在するということを踏まえて,論理学のトレーニングをやってみると,どうなるかというと・・・結論としては,人工授精による子などが真の親を探索することも否定されるという結論にならざるを得ません。

しかし,私は,子が自分の親を知る権利のほうを重視したいと思います。親のわがままによりその権利を禁ずることは許されません。子は親の所有物ではないからです。

子の人格権よりも親の人格権を優先することは,憲法の定める平等主義に反し,明らかに違憲です。子による真の親の探索権,探索した結果に基づく相続権,戸籍訂正権等が保証されていない社会は,公正な社会であるとは言えません。

以上は,あくまでも論理学の練習です。

細かいことを書くと炎上して叱られそうなので書きません。

投稿: 夏井高人 | 2015年8月 6日 (木曜日) 08時49分

夏井高人様

ご返信ありがとうございます。

私が本文をキチンと理解できているかは、必ずしも自信がないです。

ただ、いま明確に言えるのは「この法案が成立したで代理母を頼もうという卵子提供者の女性など、いるわけがない。少なくとも標準的な人間の想像する限りでは、そうである」という事に尽きています。

なお一見した外見についていいますと私は、あんまり美人揃いの風景(日本のテレビなど)を見ると退屈してしまいます。

江藤貴紀

投稿: 江藤貴紀 | 2015年8月 6日 (木曜日) 08時36分

江藤貴紀さん


本文の話題とは関係のないコメントだと思うので,そのようなものとして受け止めます。

本文の話題は,本当のことを書けないという類型に属するもので,わかっていても口に出すと攻撃されて炎上することが予測できるので,誰も口にしません。それゆえ,ものごとが悪い方にしか進まないということになります。

私も本当のことは書けないので,そういうことを推奨している人々がみんな滅んでしまうまで黙って静観することにしました。100パーセント確実に破綻して滅びます。そうなるまでの間にそんなに長い年月を要しないでしょう。

****

外見と実質とが異なることはしばしばありますよね。

単にスタッフが有能で,本人は実は凡庸だというだけの場合もあります。要するに虚像なのですが,虚像が仕事の本質的構成部分になっていることもあります。例えば,工房方式で仕事をする人の場合がそうです。このような場合には,そういうスタイルによる仕事なのだと思って,即物的に対処するのが合理的だと思います。

他方,一般的には,顔のかたちによって受ける印象が異なるということは避けられないことなので,それによる影響があり得ると思います。単なるオジサン顔よりは素敵な紳士やイケメンの顔をほうが大衆受けすることは間違いないです。それだけ大衆というものは洗脳して支配しやすいものだということをも意味しています。単にそれだけのことに過ぎない場合が多いかもしれません。

***

世間で偉そうにしている人の中には,本当に偉い人もいるので,なかなか難しいのですが・・・

本当に実力があり,偉そうにしなくてもよいと思われるのに偉そうにしている人には,様々なタイプが含まれると思います。状況により,そうせざるを得ない場合やそうしたほうが効果的な場合もあるのでしょう。

他方,本当は何の実力もないのに偉そうにしている人には2つのパターンがあるように思います。

1つは,自分自身でも自分には実力がないことがわかっていて,その劣等感のような心理の裏返しとして虚勢をはるタイプの人です。非常にしばしばいます。反対に,自分に絶対的な自信のある人は,決して威張ったり権威をちらつかせたりしません。それで判別することができます。

もう1つは,単なる阿呆です。脳に器質的な障害があるかもしれません。その場合,専門医による治療が必要です。

投稿: 夏井高人 | 2015年8月 6日 (木曜日) 07時47分

夏井高人様

世間ではとても肩書きや経歴が立派そうに見えて「創造力」がないどころか、簡単な「想像力」がない人もいますね。でも大勢の人間から優秀な人と思われて、ある地域で評価にかけると高い人気をあつめちゃいます。「オールマイティな知見を有して、海外の潮流にも視野のある人」という風に世間で誤解される、のでそういう結果になったのでしょう。

でも経歴をちゃんと観察すると、想像力がないだろうなーという雰囲気があります。そして現実にも、一歩先を見る論理性がない思考回路で動くようで、凡人にも見抜けるミスをしてしまいます。

もっともタダの人でアプローチできる表面的な資料のレベルでは、真実のうち僅少な部分しか現れて来ないので、そこまでのことしか凡人には分かりません。それでも単なる「化粧美人」(この語句はジェンダー論の一部からはインコレクトかもしれませんが、いちばん適切な表現だと思います)と比べたら、背伸びも纏足もせずに生きる方が幸せそうなので、コツコツと出来ることをやりゃーいいんだと考えれば、慰めにはなります。

*今のはスケールが非常に小さい(1人の頭蓋骨より小さい)話なので、そのニュース自体を大局的に考えたら「なんじゃこりゃあ」となるべきですが。

投稿: 江藤貴紀 | 2015年8月 6日 (木曜日) 06時32分

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