マイナンバー(共通番号)
マイナンバーが実装・運用された場合の波及効果については,検討しなければならない課題が山ほどあり,十分な検討ができていなかったのでこれまでほとんど発言をしなかった。
全部検討したわけではないが,最もコアになっている課題については一応自分なりの理解を得ることができた。
詳論は避けるが,結論だけ言えば,現行の個人情報保護法を遵守し,プライバシーマーク(JIS Q 15001)を取得しても何も守られなくなる。
全て根本から書き直されなければならない。しかし,そのような作業は(政府部内での検討結果を含め)一切存在しない。
そもそも「何が問題であるのか」という本質的部分に大半の人々が全く気づいていないということに気づいくことができたのは非常に大きな収穫だった。そして,大半の人々が問題の所在に気づいていないので,日本国のマスコミを含め,特に問題とされることもないのだろうと思う(笑)
しかし,現行の法制度や認証制度では何も保護されないことになるし,技術的対応が無意味になるという類型に属する検討課題である以上,少なくともこの分野に関する法学研究者はしっかりと考えなければならない。
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