林子平「三国通覧図説」付図「琉球三省并三十六島之図」
林子平「三国通覧図説」付図「琉球三省并三十六島之図」 は清の時代の東シナ海周辺の地理を詳細に書いた図面として有名で,当時の薩摩藩(琉球王国を偽装)は,この図面に書かれている海路をたどって清と交易していたものと推定される。
ところで,この図の中には「釣魚台」という名の小島が描かれている。
中国の古図及び現代の地図と照合してみると,杭州湾沖にある多数の小島群(舟山周辺)か温州湾沖にある小島群の中のどれかがそれに該当すると考えるのが妥当ではないかと思う。これらの小島が比較的細かく描かれているのは,清軍の検問所のようなところがそれぞれの島にあり,通関手続きのようなことをしないと清国に入ることができなかったため,細かく描かれたのではないかとも考えられる。
つまり,「釣魚台」は尖閣諸島の中にある島ではない。現在の尖閣諸島には,この図面にある「赤尾山」と「黄尾山」に該当する島が存在しない。
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