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2015年6月29日 (月曜日)

科学論文が根拠とする実験データには捏造がいっぱい?

下記の記事が出ている。

 Study claims 1 in 4 cancer research papers contains faked data
 ars technica: June 27, 2015
 http://arstechnica.com/science/2015/06/study-claims-1-in-4-cancer-research-papers-contains-faked-data/

短期間で結論を得ようとするからこういうことが起きる。

真に意味のある研究成果は,そんなに簡単に得られるものではない。投資額の大きさに比例してより重要な研究成果がより短期間により多く出てくるというような因果関係は全く証明できない(ただし,金儲けには関係がないものと判定され,従来ほとんど研究予算が支出されなかった領域については,合理的な金額の研究予算をつけただけでかなり大きな研究成果を得られるという因果関係は存在する。なにしろ,ほぼゼロのところに投資をするわけだから,研究成果が出ないわけがない。要するに,研究予算の配分に関しては,企業の論理によって優先順序をつけてはいけないということに尽きる。)。

しかし,学問を金儲けに利用することを一切禁止というわけにはいかないだろうし,今後もますます強化されるだろうし,へたをすると「金儲け」に直接に結びつかない大学文系学部が全部廃止なんてことになるかもしれないが・・・結局,文明の消滅と社会の崩壊をもたらすだけだろう。

そもそも社会の中のごく少数の者の金銭的利益だけを優先しようとする思想が間違っている。

真理の探究と経済的利益の増加とは基本的に全く関係がない。

私は,故意にデータ捏造をさせた企業や,成果を急がせてデータ捏造を誘発させてしまった企業・官庁に対しては,厳罰をもって臨み,その捏造データによって製造された医薬品等による疾病について(成果を急がせた者を含め)重要な影響を与えた関係者全員に完全な個人賠償責任を負わせるような社会システムの構築が必要なのだと思っている。

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