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2015年6月17日 (水曜日)

EU:欧州人権裁判所が,プロバイダ(サイト管理者)は利用者の違法な言動について法的責任を負うとの判断

下記の記事が出ている。

 Shock European court decision: Websites are liable for users' comments
 ars technica: June 17, 2015
 http://arstechnica.com/tech-policy/2015/06/shock-european-court-decision-websites-are-liable-for-users-comments-2/

日本では,例えば,「ココログ」を運営するniftyが「ココログ」上で明らかに名誉棄損罪,侮辱罪,著作権法違反の罪等に該当し,違法性阻却事由が全く認められず,表現の自由を明確に逸脱していると判断可能な言動が存在していることを発見した場合,それを放置する行為が違法行為となるか・・・といった典型的な議論の一部となり得る。

同様のことは人権侵害についても言える。

言論の自由は最大限に尊重されなければならないので,プロバイダ運営者としては判断に迷う場合が圧倒的に多いと思われるけれども,誰がどうみても名誉棄損罪等を構成する言動であり,もし起訴されれば100パーセント確実に有罪となると判断可能な言動は確かにある。

しかし,日本の現行法の解釈・運用を前提とする限り,ある言動が人権侵害となる言動に該当するかどうかについて判断する場合には,微妙な価値判断が伴うのが通例であり,安易にプロバイダに対して法的責任を負わせすぎることには疑問があり,かなり多くの弊害が伴うことになるだろう。

ところが,EUの場合,米国の法制と異なり,かなり微妙な法的利益でも人権の一種としてEU及び加盟国の法令によって宣言されている場合があるので,十分に気をつける必要がある。

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