横田修一郎・永田秀尚・横山俊治・田近淳・野崎保『ノンテクトニック断層-識別方法と事例-』
Amazonに注文していた下記の書籍が届いたので,早速読んでみた。
横田修一郎・永田秀尚・横山俊治・田近淳・野崎保
ノンテクトニック断層-識別方法と事例-
近未来社 (2015/3/29)
ISBN-13: 978-4906431434
図版・地図・カラー写真等が満載で,非常にわかりやすい。この価格でよく出版できたものだと驚いた。
一般に,プレート理論が普及した結果,プレート移動に起因する大規模断層等の存在については知識が普及したのだけれども,それ以外の様々な要因による小規模な断層の存在とその成因については無視されてしまうといった弊害的現象が続いていたように思う。
地球の地殻~地表の構造は,まだまだよくわからないことが多いのだけれども,あまりに単純化し過ぎた考え方は,防災という観点からも極めて危険だと思う。
この書籍は,そういう観念の単純化による危険性というものを再認識させてくれるという意味ではとても良い書籍だと思った。
地質学や火山学等への積極的な研究資金投入が望まれる。税金だけでは限界があるので企業からの寄付も必要だろう。地球の物理的諸活動による自然災害をよく知ることは企業の危機管理や継続性維持のためにも必須のことなので,研究資金の単純な寄付(直接的な見返りや利益を求めない寄付)が利益に結びつかないなどということは絶対にあり得ない。
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