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2015年3月 8日 (日曜日)

湯淺墾道「インターネット選挙運動と公職選挙法」

湯淺墾道先生から下記の論説の抜き刷りを頂戴した。

 湯淺墾道
 インターネット選挙運動と公職選挙法
 選挙研究30巻2号78~90頁

インターネット選挙それ自体については,各種論説が出ている。しかし,概要説明にとどまるものが多い。

湯淺先生の論文は,現行法上の問題点を正確に指摘し,改善すべき事項を具体的に指摘している点で,非常に参考になる。

なお,この論文でも指摘されているとおり,なりすましによる各種違法行為等の発生の可能性は常にあるので,その点について慎重にならざるを得ないのは当然のことではあるが,もっと本質的な事柄について今後は検討すべき時代に入ったのではないかと思う。

それは,選挙を含め政治的な事柄に関する言論の自由は,ネガティブキャンペーンや誹謗中傷に属するものであっても違法行為とはせずに自由を尊重するという欧州人権条約の立場を日本国ではどう考えるべきかという問題だ。

批判を受けた人間は,それが政治的問題であれ学術的な問題であれ,心理的にはおもしろくないのにきまっている。しかし,おもしろくなく侮辱的だと感ずる者が発生することが当然に予見できる場合であっても表現の自由を尊重すべきかどうかという問題に尽きる。この場合,公的な立場にたたない普通の一般市民の名誉権の問題とは明確に切り離して考えなければならない。特に政治家というものは批判され非難されるために存在しているようなもので,それを承知で政治家になる以上,批判や非難を排除しようとすることそれ自体がそもそも許されないのに対し,一般人は全くそうではない。

従来は,インターネット選挙等の「手法」や「技術」等に関する議論が主流だったと思うけれども,今後は,そのような手段を用いてやりとりされる政治的言論の自由をいかに確保するかという内容面での検討に重点が置かれるべきだろうと思う。

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