SamsungのSmart TVが利用者の承諾なく勝手に商業宣伝広告を別の映像コンテンツ上にポップアップ表示
下記の記事が出ている。
Samsung Appears To Be Stuffing Pop-Up Ads For Yahoo In Its Smart TVs
Business Insider: January 20, 2015
http://www.businessinsider.com/samsung-tv-pop-up-ads-2014-1
Samsung smart TVs inserting ads into third-party apps
ars technica: February 11, 2015
http://arstechnica.com/gadgets/2015/02/samsung-smart-tvs-inserting-ads-into-third-party-apps/
私は実物を見ていないので記事から判断するしかないのだが,もしこの記事のとおりだとすれば,ポップアップ表示された映像コンテンツの著作権または著作者人格権を侵害する機能だと考えることができる。
全世界で何万台もの同種機器類が動いているのだろうから,仮に映像コンテンツの権利者全員が本気で訴訟を起こしたと仮定すると,海外資産を全て売却して現金化でもしない限り,Samsungが超巨額の損害賠償金の支払を耐えられる可能性は絶無に近いのではないかと思われる。
[追記:2015年2月12日]
関連記事を追加する。
Samsung investigates why its TVs put ads in others' apps
BBC: 11 February, 2015
http://www.bbc.com/news/technology-31424596
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コメント
江藤貴紀さん
このブログは,私の研究用メモの一部を一般に公開しているだけなので,報道資料等の内容の真偽を確認しているわけではないです。
メモを一般に公開するようになった理由には幾つかありますが,秘密にしてアクセス制限をかけていると不正アクセスがひどいということに尽きます。それで,アクセス制限の可能性は一切断念し,機密性を全部なくしてしまいました。
本当に機密にしておきたいことは自分の脳細胞の中だけにあるので,いずれ老化がひどくなるにつれ記憶が薄れて消えてしまうことでしょう(笑)。
そういう点はさておき,どういうことでも実物を検証するという作業は大事だと思います。
私のような法学の分野で研究している者でも,他の研究者の書いた論文を読む際,「常に原典にあたって確認する」という初歩の初歩の作業について手を抜くと,どえらい失敗をしてしまいます。現在の私の研究手法は,そういった手抜きによる山ほどの失敗の積み重ねを心底悔い,深く反省した上で,時間がかかっても基本に忠実にやろうと思い直したところから始まっています。
また,法律書を読む場合に注意しなければならないのは,法律家が前提としている一般常識的な部分について,実は『広辞苑』程度しか調べていないということが圧倒的多数というかほぼ全部だということです。そのことに気づいたことも現在の私の研究手法確立の契機の一つとなっています。
人生の時間は限られており,万能になることはもちろん不可能なのですが,自分の研究領域に関しては実証性を可能な限り高めたいと心がけております。
そうやって研究を進めていると,「世の中,全く根拠レスなのに自分が権威だと威張っている人ばかりだ」と気づくことができます。
少しも怖くなくなってしまいました。何しろ事実の裏付けがないので,それを暴いて完全に失脚させることは極めて容易です。
しかし,私は,ジャーナリストではない。
そういうわけで,何か特別の必要性がない限り,他人の非には一切目を瞑り,自分だけの世界の中で地道に草を育てながら研究を進めております。
本当は別の分野に最も興味があったのですけれど,江藤さんもおっしゃるとおり,とにかく予算がない。私のためにスポンサーになって「捨て金」をめぐんでくれるような企業や人もいません。
そこで,自分が支出可能な微々たる予算の範囲内で実証可能な対象というと,結局,限られてしまうんですね。
普通,ちゃんとした法学論文を1本仕上げようとして,本当に徹底的に調査を尽くして完璧なものを書こうとする場合,誰がどうやってもかなり大きな金額の研究費が実費として必要になるでしょう。そうでないという意見もありますが,たぶん,真面目に原典資料を収集して常に自分の身の周りに置き,いつでも即座に調べられる環境を構築したことがなかったり,世界中のキーパーソンと直接に会って意見交換し,重要な資料を閲覧するための関連官庁等への紹介状を書いてもらったりするといった基礎的作業をしたことが全然ないからそのように言うのだと思っています。
予算をとるのが上手な人はたしかに存在します。これも才能だと思いますが,その才能を活かせることができるのは,単に才能だけではなく,天や運といった要素もあるのではないかと思います。
私自身は才能ゼロです(笑)。
投稿: 夏井高人 | 2015年2月12日 (木曜日) 10時13分
夏井高人さま
私もその実物は見ていない(予算上の理由による)のですが、何につけ、実機上での動作確認のための経費確保をする手腕が必要(そうでないとちゃんとした仕事はできない)ですね。
リンク先は経費の豊富な立場にある、実務家(大学院卒業後すぐに就任した方)で、いま8年目です。まあ、いろいろなパラメーターがあって、ポジションを確保されたと思いますが、法律専攻の学生でなかったことを差し引いても「真面目に仕事してるのか?」という気がしてきます。
でも、ぐだぐだいうより先に「予算をぶんどる」というのも力量のうちなのは確かなので、近く、そのちゃんと予算を取ってこれるようになろうと思います。
(あまりそういうのは好きではないのですが、いいパフォーマンスを上げるためには、そういうことも仕方ないと考えるようになりました)
投稿: 江藤貴紀 | 2015年2月12日 (木曜日) 09時43分