王貞月『台湾シャーマニズムの民俗医療メカニズム』
下記の書籍を読んだ。
王貞月
台湾シャーマニズムの民俗医療メカニズム
中国書店 (2011/4/30)
ISBN-13: 978-4903316239
台湾のシャーマンと民間医療についてはちゃんと勉強したことがなかったので,この本を読んで非常に参考になった。
古代から様々な歴史的・政治的要因で変化してきたシャーマニズムの動体を精密に分析した上で,古代の原初的形態を推論する手法には賛同できる部分が多い。
ただ,書籍の性格上,あまり詳しく書かれていない部分がある。特に中国の本草学(中医)との関係がそうだ。
人間の文化の中には,原始発生的なものと,古代に渡来した高度な文化が衰退・変形した残存物の部分と,そして,その混合物の部分とがある。それらを明確に意識して分けて考えないと妙なことになりかねない。
この書籍でもそのような警戒心と緊張感を最大限に保ちながら論述が進められているのだけれども,それゆえに推論が堅実すぎる部分もあるように思う。
古代史はなかなか難しい。
更に別の書籍を探してみようと思う。
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