黄霊庚『楚辞與簡帛文献』
下記の書籍を読んだ。
黄霊庚
楚辞與簡帛文献
人民出版社(2011/3)
ISBN 978-7-80735-895-4
『楚辞』の「九歌」について抱いていた根源的な疑問の幾つかが氷解した。
『楚辞』は,日本でも随分と研究されてきた。これまで,星川清孝『楚辞の研究』(養徳社、1961)、石川三佐男『楚辞新研究』(汲古書院、2002),大野圭介『『楚辞』と楚文化の総合的研究』(汲古書院、2014)を熟読玩味したけれども,どうしても釈然としない部分が多数残る。
基本的には,同一時代に書かれたものだという前提で解釈すると,説明がつかなくなってしまう部分があまりにも多すぎるのだ。
黄霊庚『楚辞與簡帛文献』は,この疑問に対する一つの回答となり得る仮説を提供している(大野圭介『『楚辞』と楚文化の総合的研究』でも部分的に示唆されている。)。
研究の手法は,私が採用しているやり方と非常によく似ていて親和性があり,とても理解しやすかった。
関連各分野から異論も多々あろうかと推測される。
私なりに更に研究を深めようと思う。
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