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2015年2月15日 (日曜日)

大島直行『月と蛇と縄文人-シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観』

下記の書籍を読んだ。

 大島直行
 月と蛇と縄文人-シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観
 寿郎社(2014/1/28)
 ISBN-13: 978-4902269673

表紙カバーがやや刺激的なのだが,内容はいたって真面目で地味なものだ。

手法もいささか古臭い。

縄文人の精神世界を推測するアプローチはこれまでも多数あり,この書籍もその中のある系統に属するものであることは間違いないだろうと思う。文化人類学というよりは美学に近いかもしれない。

他にも様々な考え方があるので,比較検討しながら考察すべきだと考えるのだが,考古学や自然科学の成果と矛盾しない推論を心掛けることが大事なのではないかと思う。

また,「型にはまった様式」や「型にはまった行動」というものが存在するということも理解すべきだと思う。人間は,期待されているよりはるかに個性的ではない。実際には「型にはまった思考」をし,「型にはまった行動」をすることで精神的安定を得ていることが多い。だから,特に意味なく先例踏襲するのが実は人間の普通の精神構造であり行動様式でもあるわけだ。

近代以降に想定されている「自由な精神」のようなものを意識し過ぎると失敗してしまう。より野生動物に近いところで発想してみたほうが真実に迫ることができるのではなかろうか。

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