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2015年2月18日 (水曜日)

吉村豊雄『棚田の歴史-通潤橋と白糸台地から』

下記の書籍を読んだ。

 吉村豊雄『棚田の歴史-通潤橋と白糸台地から』
 農山漁村文化協会 (2014/2/28)
 ISBN-13: 978-4540132049

かつて,調査のため日本中の山野を歩き回っていた頃,廃村のような地域や山間の放棄された田のようなところを通ったことがあった。

ある種の情感に襲われがちになってしまうのだが,しかし,冷静に観察すると,明治時代以降(へたをすると第二次世界大戦以降)の入植地なのではないかと推定されるところもあり,なかなか複雑な気持ちになったものだ。

そういうわけで,棚田に関しても,本当に古代からこういう景観なのかどうか疑問に思うことがあり,古代史に関してちょっと書いているものでも棚田には基本的に触れないできた。

しかし,中国の少数民族における農耕様式を調べている間に日本の棚田についてもちゃんと勉強したくなり,何冊か読んでみた。やはり納得できないところが多かった。

そもそも自然界から供給される水量はそんなに多いものではなく,それによる灌漑のみでは田の耕作面積が自ずと限定されてしまうはずなのだが,そういうことを全く無視した論述が決して少なくない。物理的にあり得ないことは納得できない。

そのような棚田に関する書籍の全体的な状況の中で,今回読んだ『棚田の歴史-通潤橋と白糸台地から』という本は,非常に納得度が高かったし,勉強になった。

とても良い本だと思う。

棚田について,この本に書いてあることも踏まえた上で,更に考え続けようと思う。

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