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2015年1月27日 (火曜日)

白石 哲編『労働関係訴訟の実務』

ちょっと必要があってAmazonに注文した下記の書籍が届いたので読んだ。

 白石 哲編
 労働関係訴訟の実務
 商事法務 (2012/6/25)
 ISBN-13: 978-4785719883

私が購入したものは初版第4刷になっていたので,この種の書籍としては相当売れているほうだと思う。

類書は多数ある。

しかし,一般に,要件事実論を全く踏まえないものが多く,実際には使い物にならないことが多い。条文上の法律要件から主張立証責任の分配法則を意識して検討を加えた上で真の法律要件を導き出すというごく当たり前の法解釈論の基礎ができていないと,かなり厳しいかもしれないのだが・・・

その点で,本書は,比較的信頼できるものではないかと思った。

ただ,要件事実論は,法解釈論の一種なので,当然のことながら見解の相違は生じ得る。そういうあたりも十分に理解した上で,書物に書かれたこと(とりわけ,通説とされている学説等)を金科玉条とせず,自分の頭で逐次考えるのが裁判官の職務遂行の基本なので,そういうことも正しく理解した上で読むと非常に有用な書籍なのではないかと思う。

ちなみに,私が必要とした事柄については,そもそも項目がなかったので,残念ながら自分で考えるしかない。

他に先行論文等も見当たらないので,全く新しい法的課題の存在に気づいてしまったのかもしれないと思う。

しばらく考察を続けることにする。

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