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2015年1月22日 (木曜日)

馬紅光『山海経之南山経考証』

下記の書籍を読んだ・・・というよりも自分なりに勉強して構築してきた仮説と矛盾する見解が示されているかどうかを確認したくて精読した。

 馬紅光著
 山海経之南山経考証
 世界図書出版広東有限公司(2012/6)
 ISBN13:9787510045813

この書籍では「南山經」にある動植物の名や山河の名を全て検討しているわけではないが,考証可能なものについては徹底的な検討を行っている。

細部を除いては私見とほぼ一致していたので,少しだけ自信をもつことができた。

『山海經』に関しては,単なる空想として片付けてしまう見解がある。また,神秘的・宗教的・呪術的な寓意のようなものとしてのみとらえる見解もある。しかし,私は,立派な博物学的書籍の一種だと思っている。

そのように考え始めたのは,友人の緑屋氏(ハンドルネーム)との交際によるところが大きい。彼の意見によれば,山海經にある草木や怪物の名は,実際に存在する植物や動物のことを指していると考えることができるというのだ。そこで,私も時間をかけて検討を重ねてきた。

結論として,確かに,妖怪や怪獣の類ではなく,現在でも生きている動植物のことを指していると解することのできるものが多々ある。

ただ,『山海經』が執筆された当時には,リンネ以降の時代におけるような系統分類学的な記述方法がなかったので,現代の感覚からすれば怪物のようにしか読めない表現が満載となってしまうのだろうと思う。

けれども,動植物の図鑑から符号としての知識を得てそれと照合するのではなく,何年もかけて山野を廻って野生の生物を直接に観察する経験を積み,植物の苗を入手して自分の庭で実際に栽培してみると,『山海經』に書かれている生物の描写が実に正確だということを理解することができるようになる。

文学しか知らない人には理解できないかもしれない。何しろ符号しか知らないのだ。

符号ではなく,何百種類・何千種類の動植物を実際に観察し,育ててみるという努力を積み重ねれば,100パーセント確実に,誰でも私や緑屋氏の見解と同じ結論に達することになるだろう。

この書籍の著者である馬紅光氏もきっとすごい苦労を重ねた上でこの書籍を書いたのだろうと思う。

今後,「南山經」以外の部分についても多数の研究成果がどんどん現れることを期待したい。

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