ドローン(無人航空機)の開発・利用が進むと,スポーツ中継番組に関する独占権が崩壊するのではなかろうか?
現在のところ,オリンピックを含め各種スポーツ競技大会の状況を撮影した映像コンテンツには独占権が認められており,かなり高額の収益源になっていることは事実だと思う。
しかし,ドローンが安価に利用可能になると状況が一変する。
素人が空中から撮影した映像を無料で実況中継する事態が発生する。しかも,テレビ局が型にはまった発想で構成する出来合いの番組(コンテンツ)よりもはるかに質のよいものがどんどんできてしまう可能性が高く,そのために,スポーツに関しては誰もテレビを見なくなる可能性が著しく高い。
いわば,「とり鉄」の空中版といったところだ。
そのとり鉄もまたドローン化する可能性が高い。飛行中のドローンと列車が衝突することによるトラブルも増えることになるだろう。
窃盗団やテロリストは既に利用しているかもしれない。下見をするには最適の道具だ。今後は,かなり強力なジャミング装置が防犯用具として普及することになるかもしれない。
講談の世界では,石川五右衛門が大凧に乗って金鯱を盗もうとしたとか言われているが,まさにその電子版と言ったところ。
(追記)
一般に,利益の源泉は需要なので,意図的にボトルネックをつくり人為的に需要を生成することに成功した者が利益をあげることができる。
従来,特殊な物的装置・設備や人員等を要する分野では,自然とこうしたボトルネックができあがっていた。
しかし,今日の状況は異なる。物的要素は,どんどんボトルネックではなくなってきてしまっている。独占が難しい状況にあるのだ。そして,人的要素については,素人と思われている人々の中に相当多数の非常に優秀な人材が含まれており,ただギルドに加盟していないために排除されていたり,肩書きや経歴によって差別されている状況になっているだけだというのが真実なので,専門組織の中にしか優秀な人材が在席しないという理屈は一切成立しない。偶然の作用と結果に過ぎないのだ。
そういうわけで,現在では素人の貧乏人と考えられている人々の中から将来のエリートや金満家のような人々が,学校や組織とは全く無関係の経路で出現し成功する可能性はある。
当然,既存の組織としては,そのような動きを阻止しないと,大富豪から大貧民に転落し二度と這い上がれないことを知っているから,阻止のためにありとあらゆる手段を講ずることになるだろう。
また,各国政府としては,独占的メディアを管理することによる情報統制,思想工作,洗脳工作,情報工作のようなものを実施することが非常に困難となる。
そこで,リアルバージョンのサイバー戦や電子戦のようなものが勃発する可能性はあり得ると考えている。
このような近未来の問題はあるのだが,ドローンの開発と安価な普及が止まることはないだろうと思う。
それは,インターネットが始まったころのことを思い出せば容易に想到することのできることだ。例えば、かつては1メガバイトのハードディスクが何万円もしたものだが,今では数ギガバイトのUSBメモリやSDカードを非常に安価に購入することができる。
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