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2014年12月20日 (土曜日)

東海

一条兼良『日本書紀纂疏』を精読している。

非常に面白い。

既に原稿を出して印刷中の論文を執筆している段階ではこの書籍をちゃんと読んでいなかったのが悔やまれる。もう少し説得力のある論拠を提供できたかもしれない。

早稲田大学の古典籍データベースで画像が公開されているのを知り,ダウンロードして読み始めた。

複数の異なる版があるようで,近年製本されたものを図書館から借りて読んでみても版の相違が反映されていることがわかる。

献上版と呼ばれているものに特に好奇心を刺激される。

注解の冒頭部分には「日本」の語義についての解釈が示されている。

その中では『説文解字』が多く引用されている。

「東」について,「木」と「日」を合成したものだとしている。つまり,「東」とは「日本」を意味する。

この解釈では,「東海」とは「日本海」であることになる。

そういうわけで,『説文解字』(中国版)とも格闘中。

なお,『日本書紀纂疏』の問題の部分の読解に関しては,下記の論文が参考になる。

 二藤 京「比較文学の視点から見る「日本」-『日本書紀』と『日本書紀纂疏』を中心に」
 高崎経済大学論集 48(3), 189-201, 2006-02
 http://www1.tcue.ac.jp/home1/k-gakkai/ronsyuu/ronsyuukeisai/48_3/nito.pdf

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