ジャック・ヘラー『大麻草と文明』
下記の書籍を読んだ。
ジャック・ヘラー(エリック・イングリング訳)
大麻草と文明
築地書館 (2014/10/15)
ISBN-13: 978-4806714842
なぜ大麻草が国際条約により処罰対象とされてきたのかについては,謎が多い。現在でもなお闇の世界だ。
この書籍では,処罰推進の理由として,音楽産業(マフィア)の利権保護を重要な要素として重視している。
確かに,音楽家の中でマリファナが普及すれば,マフィアが仕切ってきたヘロインやコカイン等の麻薬によるしのぎが減る。
また,この書籍では,大麻草抑圧の契機として,石油化学工業の存在を示唆している。大麻草の繊維は非常に良質であるため,もしそれを禁圧しなければ,石油から合成された化学繊維産業が伸びる余地がない。
どちらにしても,ごく一握りの強欲な人々によって,世界中で広く行われていた大麻草の栽培が禁圧されてしまったことになる。
では,そのようにして世界中で栽培されていたことによって,世界中で精神異常者が多発し,凶悪事件が多発したという証拠はあるのかと考えてみると,そのような証拠はない。
私は,古くは宗教戦争的なもの,すなわちゾロアスター教とそれから派生したオリエントの諸宗教に対する観念的な嫌悪感に根差すものだと考えている。そして,日本国の皇室や神社が神草として大麻草を用いてきたことが決定打となっている,すなわち,日本に対する制裁としてこのようなことが起きているのだと理解している。
しかし,その抑圧の大元となっていた米国においては,驚くべき勢いで大麻草が合法化されつつある。
大麻草については,既に「植物分類体系の変化が法制度に与える影響-大麻規制法令を中心とする考察-」法律論叢84巻4・5号91~112頁で詳論したとおりなのだが,最高裁判決の上告趣意書に書いてあることは正しい。この最高裁判決は,最高裁判事全員が無知により騙されてしまった事例として長く記憶されるべきだろうと思う(陰謀説の立場では,米国諜報機関のエージェントとして虚偽内容の判決を書いた事例ということになるのかもしれないが,事実を証明するための証拠はない。なお,米国公文書館で関連資料が公開されるようになるまでにはもう少し年月を要する。公開されれば真実が明らかとなる。)。事件を担当した最高裁判事及び最高裁調査官がまだ生存しているのなら,国民全員に対して心からのお詫びをし,懺悔すべきだと思っている。
なお,悪法も法なので,「大麻取締法違反行為をしても良い」という趣旨ではない。根本的な部分で改正または廃止すべきであり,その前提として条約から脱退すべきだと考えている。条約が存在する限り,廃止はできない。そして,国連の中で条約を現在でも強く支持している一部の人々を国連から排除すべきなのだが,現実にはそんなことは不可能なことだ。したがって,処罰されたくなければ悪法でも従うしかない。
同様のことは,実はタバコについても存在しており,深く研究を進めている。
私の若いころには,天皇陛下から賜る菊の御紋の入った「恩賜の煙草」をありがたく頂戴したものなのだが・・・
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