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2014年12月 8日 (月曜日)

ダブルディグリー

昨日,東京電気大学北千住校舎で情報ネットワーク法学会の研究大会があった。

楽しかった。

主に法情報学関連のセッションに参加してきたのだが,その中でダブルディグリーの話題が出ていた。

いろんな課題があると思うが,その中で最も深刻だと思ったのは,現行の学位授与制度が全く対応できてきないということだ。

通常,ダブルディグリーは,複数の異なる学位を順次受けることによって成立するとされている。これは,単に大学への在学日数を増やして学費収入を増やすための措置に過ぎない。

あるべき姿は,1本の論文で複数の異なる学位を得ることができるような制度を確立することだと思う。

例えば,1本の論文を提出して理学博士と農学博士の2つの学位を取得できるような制度が望ましい。

真に天才的な論文であるというのであれば,1本だけで十分なはずだ。

しかし,現実にはそうなっていない。

そういう制度上の問題点を踏まえない議論は,かなり嘘くさく聞こえてしまう。

なお,海外の提携校等の間で,同一の論文で同時に学位を与えることにより名目上2つ学位を取得したようなかたちにすることもダブルディグリーと呼ばれている。例えば,同一の論文について,日本の甲大学で法学博士を授与し,同時に,英国のA大学でも法学博士を授与するような例がそうだ。

しかし,これは,真のダブルディグリーとは異なる。真のダブルディグリーは,全く別分野の学位を複数取得していることを意味する。そして,真に学際研究といえるためには,その研究内容が同一の論文の中でいかんなく示されていることを要する。更に,論文審査員が,その内容を正しく理解し価値を評価できるだけの極めて高度な頭脳を有していることを要する。

これらの前提条件の全てが世界中のいかなる大学でも用意されていないと考える。

だから実現できない。

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