ウィーナー『人間機械論 ――人間の人間的な利用 第2版』
以前もっていたのだが,誰かにあげてしまって手元になかった。再読しておく必要があると考え,Amazonに注文していたものが届いた。今年の9月に新装版になっていたようだ。読むのは何度目かになるけれども,読む度に新たな発見がある。良書とはそういうものを指すのだろう。
ノーバート・ウィナー(鎮目恭夫・池原止戈夫訳)
人間機械論 ――人間の人間的な利用 第2版(新装版)
みすず書房(2014/9/1)
ISBN-13: 978-4622078838
大学のサイバー法の講義では,最初にサイバネティクスについて教える。これがわからないと何もわからない。その際,参考書として様々な書籍をあげておく。けれども,紹介した書籍を探してちゃんと読む学生は少ないようだ。
ただ,稀に,紹介した書籍を読み漁り,かなり難しい質問を投げかけてくる学生が出現することがある。数年に一度程度のことなのだが,そのような学生がいる場合には,将来有望かもしれないと思い,更に気合を入れて授業に臨むことになる。授業というものは教授と学生の共同作品のようなものなので,一方的な講義ほどつまらないものはないと考えている。
これとはまた別に,あまり訓詁学的にはなりたくないのだけれど,語句の意味や由来をきちんと調べ,自分なりに咀嚼する努力を重ねることは大事なことだと思う。
専門家の集まりなどで,本来の意味や由来を全く知らないで専門家顔をしている者を見ていると,かなり悲しい気持ちになる。
自分の知性のみすぼらしさを自覚していない・・・自戒の念をこめて。
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