スペイン:3世紀のガラス容器に刻まれたキリスト像-鬚がなく,哲学者の衣服を着用
下記の記事が出ている。
Was Jesus actually clean-shaven? Engraved 3rd century glass found in Spain shows Christ without a beard - and wearing a philosopher's toga
Daily Mail: 4 October, 2014
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2780928/Beardless-Jesus-unearthed-Spain-Image-Christ-4th-Century-plate-short-curly-hair-wearing-toga-sheds-new-light-appearance.html
キリストがどのような姿をしていたのかを知るための初期の資料は極めて少ない。偶像崇拝禁止の思想の故だったのではないかと思う。
初期のキリスト教がどのようなものだったのかについて考えることは中国と日本の古代史を考える上でも大事なことだ。儒教の国だと固く信じ,他の考え方を一切受け付けない人は,「儒教を含む中国思想史についてちゃんと調べていないし,考えてもいない」と自白するようなものだ。
日本の古代史との関連でもキリスト教(景教)やユダヤ教の渡来・影響を論ずる学者は結構多い。
私は,その渡来と影響を否定する気は全くない。きっとあっただろうと思う。
ただ,その「景教」なるものの実質を現在のキリスト教から推測することは完全に間違っていると考えている。初期のキリスト教がどういうものだったのかを可能な限り知らなければならないし,初期の仏教やヒンヅー教との関連についても丁寧に検討する必要がある。学問と信仰とは異なるものなので,学問として宗教を研究する場合,あくまでも即物的である必要があるのだ。
私は,少なくとも日本国の古代に関する限り,仏教(ヒンヅー教)の影響のほうが圧倒的に強かったと考えている。中国における神仙思想や道教も同様ではないかと思う。
日本に渡来したであろう景教は,おそらく仏教(ヒンヅー教)や拝火教等と習合したものだったのに違いないと考えている。
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