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2014年9月16日 (火曜日)

つまみ食い

裁判官の世界では,「つまみ食い」は厳禁とされている。鉄則のようなものだ。

これは,自分が頭の中で描いた仮説(ストーリー)に沿う証拠だけをとりあげ,その仮説(ストーリー)を否定する証拠には目をつぶる(または無視する)ことを戒める格言だ。

否定的な証拠が多い場合,または,どちらともつかない場合には,その仮説(ストーリー)は論証されないという結論になる。

説明されれば誰にでもわかる簡単な理屈だ。

ただ,この鉄則を守ることは実際には難しい。人間には「自分の推論や判断は正しい」と考えたがる精神的傾向があるからだ。これは,自己保存能力に起因するものなので,消滅させることができない。

だから,職業裁判官として大成するためには,それなりの精神鍛錬を日々重ねなければならないことになる。

つまり,「公平であること」を常に肝に銘じ,そうであるための努力を積み重ねるのだ。

素人裁判官(裁判官出身ではない最高裁判事等を含む。)には,それができないので,当然,冤罪のようなものが生産されることになるし,裁判官の中でも頭でっかちで軽率な秀才タイプの人間では同様となる。

さて,マスコミや国家機関等が,意図的に「つまみ食い」をした場合にはどうなるか。

一般に,それは,「情報操作」または「宣伝工作」と呼ばれている。

仮説を仮説として述べることそれ自体は,思想信条の自由や表現の自由の一部であり,当然許される。

しかし,論証されていない仮説や証明されていない仮説は,事実ではないので,単なるストーリーの一種に過ぎない。

全く根拠なしに提示されている仮説(ストーリー)は,単なる憶測や邪推に過ぎないことがある。

それが国家機関等によって意図的に流布される場合,それを「謀略」という。

謀略が成功するためには,いくつかの条件を満足させなければならないが,重要な要素として,謀略である情報の受け手が非常に頭が悪い人間または非常に不勉強な人間であることが必要となる。

頭がよく,かつ,よく勉強している人間には,情報操作による攻撃は成功しない。それどころか,そんな見え透いた謀略をする者の評価は決定的なものとなる。以後,まともな者としては扱ってもらえないくなる。

そのような見え透いた情報操作が政府機関によってなされた場合,その国の国民は,以後,非常に悲惨な運命を味わうことになる。世界中の誰にも信用してもらえなくなるだけではなく,地域によって迫害されたり弾圧されたりすることになるだろう。商談等も全く成立しなくなる。

もしそうなったとしても,それは,当該政府機関が悪いからなので,国内問題として自分達自身できちんと解決しなければならない。

実際には,抽象的な意味での政府ではなく,ごく少数の異常性格者がたまたま権力を握っているためにそうなってしまうことが多いことは,歴史上の幾多の事例の示すとおりだ。その発狂者のようなごく少数の者が国を亡ぼすことになるのだ。

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