台湾:廃棄物油脂からの再利用ラードが流通!
下記の記事が出ている。
台湾「下水ラード」騒動 給食・屋台街…700トン流通
産経ニュース:2014.9.5
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140905/chn14090523070005-n1.htm
台湾の観光土産品として有名なフルーツ菓子にも用いられた例があるらしい。もちろん,製菓会社は知らなかっただろうと思う。同様に,観光土産品として違法油脂を含むフルーツ菓子を購入した顧客は被害者だ。
台湾の対外的イメージに深刻な打撃を与える事件であり,台湾の当局は,可能な限り厳しい厳罰でもって臨まないと国家的信用を損なうことになる危険性があると考える。
とはいえ,日本でも同様の例が存在する可能性が皆無だとは言えない。残念ながら食品偽装事件やそれに類する事件はいくらでもある。ごく最近も偽装米を大量に流通させた事件があった。発覚しないというだけのことで,類似事案は現実にいくらでも存在する。超有名大企業の事案も過去にあったし,今後もあるだろう。企業が有名であるか無名であるかは全く関係ないことなので,ブランドによる社会的制御は機能していないと言っても過言ではない。
監督官庁には,もっとしっかりとやってほしい。これは,食の安全の問題であると同時に,日本国の対外的信用にかかわる国家法益に属する違法行為の事案なのだという認識と自覚をもつ必要がある。
ところで,一般に,経営者が悪の根源というタイプの事件はいくらでもあり(典型例は,脱税事件,粉飾決算事件,贈賄事件,独占禁止法違反事件,環境汚染事件等),そのような類型に属する事案では,内部統制という方法が全く機能しない。内部統制は,企業経営者がまともな人間の場合にのみ意味のある考え方なので,その適用範囲が実際には比較的狭い。しかも,まともな企業は外部から内部統制を言われなくてもちゃんとやっているので,当該企業にとって何の役にもたたない形式的な手法等を文字通り形式的に強制することは,むしろ意味のない負担やコストが増加するだけとなる危険性がある。かたや,悪の経営者の場合には,悪の遂行のために内部統制を行うことだろう。
だから,会社法にしろ何にしろ,内部統制という方法は,本当は無意味なのだということを悟らなければならない。
形式的な意味での内部統制というやり方は,単純に免罪符を与えるための手法に過ぎず,その結果として得られるのは,被害者に対する損害賠償責任等の免責を主眼とするものだと言える。また,内部統制と関連する各種監査組織等の人間に飯を食わせるために強制されることが多く,当該企業の利益を損なうために制度が存在してしまうという弊害さえある。その意味で,内部統制という手法は,実は非常に腹黒い考え方を基底としていることがある。
社会的に意味のある方法としては,徹底したウルトラ厳罰主義しかないだろうと考えている。
[追記:2014年9月8日22:40]
関連記事を追加する。
中国・台湾、数百トンもの「地溝油」を押収 知名な企業も巻き込まれた!-新華社
新華ニュース:2014年9月8日
http://www.xinhuaxia.jp/social/46103
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