便利なものほど危険なものはない
下記の記事が出ている。
パソコン:遠隔操作トラブル1400件 業者の無断契約も
毎日新聞:2014年06月22日
http://mainichi.jp/select/news/20140622k0000e040126000c.html
契約書の実物を読んでいないので単なる憶測に過ぎないかもしれないが,仮に情報セキュリティを確保する上で危険な状態が発生し得ることを認めさせるような内容であれば,公序良俗に反して無効な契約だと言わざるを得ない。解釈次第でどのようにも運用可能な曖昧な契約条項がいっぱいあり,大事なことが明確にされていない場合には,消費者契約法に基づき無効となることもあり得ると考える。
少額の案件なので個別の弁護士が相談に応じてくれるかどうか若干疑問もあるが,各地の弁護士会としては被害者支援のための弁護団を結成して無料または安価でこの問題の法律相談等に対応したらよいのではないかと思う。
なお,インターネットは,本当は難しい。素人が簡単に使えると思うことが間違っている・・・と書くといつものように批判を受けることになるだろうと思うが,しかし,本当はそうだ。
そして,クラウドの場合には,ほとんど全ての管理権をベンダに委ねてしまうことになる。この場合,遠隔操作ではないが,遠隔操作以上に怖いことが現実に発生する可能性がある。クラウドベンダがセキュリティポリシーを厳守する限り弊害は少ないかもしれない。しかし,戦時と平時が常に共存する状況の下では,ベンダのポリシーよりも優先するポリシーが存在し得るし,ベンダの従業員の中に敵が伏在していることもあり得る。
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