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2014年4月24日 (木曜日)

千葉大学で学生の個人情報が大量に流出

下記の記事が出ている。

 学生情報流出4万人超=ネットで閲覧可能に-千葉大
 時事通信:2014年4月23日
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014042300823

詳細はよくわからないが,この記事では,教育学部の教授が無断で大学のHDを持ち出し私用で使っていたことが原因になっているという。

それが本当だとすれば,当該教授を懲戒処分とすべきことは当然のこととして,大学の管理体制の見直しも必要となる。

しかし,国立大学だけではなく私立大学を含め,大学の一般経費が大きく削減されてきている。意味のない戦略的研究費のようなものだけ肥大化しているが,その結果は,ノーベル賞受賞者を増加させるどころかデータ捏造事件や剽窃事件などを激増させている。ノーベル賞などの栄誉ある賞を受賞している学者の多くは,研究費の欠乏に苦しみながら地道に研究を重ねてきた人ばかりだ。

要するに,お金のかけかたが間違っている。企業における「投資」のような考え方を単純に導入しても,ただそれだけでいかなる研究組織についても成果が出ることなどということは未来永劫絶対にない。人を選んで適切に投資することが大事なのだが,現実には,「お友達」優先の素人的利益分配構造になっているので,今後も状況が好転することはないだろう。

逆に,一般経費が大幅削減されてきた結果,日本の大学におけるセキュリティはどん底レベルまでに落ちてしまっている。つまり,全ての学生と教職員が常に深刻なリスクと直面しつつあることになる。そのようなリスクは,単に学生や教職員の個人データようなデータの機密性だけに留まらず,放射性物質等の危険な物質を扱うシステムや研究室等の管理システムでも同じだ。

現在の日本政府にはそういうことをきちんと考え適正に予算配分しようとする者が一人もいないので,いずれ大事故が頻発することになるだろう。

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