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2014年2月28日 (金曜日)

PCを保有しているだけで放送受信料支払義務が生ずるとの見解が正しいとすれば

NHKの見解なのだが,仮にその見解が正しいという前提で考えると・・・

世界中全ての人が放送提供サービスを開始すれば良い。

NHKは,当然,世界中の人々に対して受信料を支払う義務が生ずるので,相殺によりゼロとなるはずだ。

なお,NHKの主張は,「法律により生ずる債権なので,NHKについてのみ発生する」という見解を前提にしている。要するに,NHKの特権だという主張だ。

しかし,全く同じ性質を有する役務を汎用の装置であるPCを介して提供しているのにNHKにのみ権利が生ずるとする法律会解釈が不当であることは言うまでもない。仮にそのようなNHKの特権を合法とする法律条項だというのであれば,そのような法律条項は,もちろん憲法違反として無効だと解する。特権を認めるべき合理性が全くない。まるでどこかの非民主的独裁国の法律であるかのようだ。外国の放送局や新聞社等を含め,他の民放各社は,インターネット上で放送をする場合,条件が全く同一なのにNHKにのみ世界中のPCの保有者に対してPCを保有しているというだけで課金できるとする特権を認めることがどういうことを意味しているかをちゃんと理解し,正しく判断すべきだと思う。

また,そのような特権が,現在のTPP交渉を含め,世界の貿易自由化の流れに完全に逆行するものであることは言うまでもない。

そして,より深刻な問題を想定しなければならない。

現時点で,NHKの見解は,まだ世界の人々には知られていない。

しかし,世界の人々がその不当性を認識すれば,もちろん,大規模かつ集中的なサイバー攻撃が発生し,NHKは,たちまち完全に再起不能なまでにボロボロにされてしまうことだろう。世界中を相手にした場合,もちろんNHKに勝ち目は全くない。このようなサイバー攻撃は,NHKの役員や従業員個人に対しても実行されることになるだろう。NHKの主張は,そのような怒りを招くような主張だということを理解しなければならない。

だから,このタイプの主張はしないほうが良いのだ。

そして,そのような悲劇的な事態が現実に発生してNHKが物理的に消滅するような結果の発生を防止するためには,裁判所は,NHKの主張を認めてはならない。裁判所は,社会全体に対する危機管理責任を負っており,判決の結果どのような社会現象を惹起させる可能性があるかを想定すべき義務がある。

ともあれ,一般論として,テレビの時代は終わったのだ。社会的な存在である業種というモデルそれ自体が消滅することになるという運命を素直に受け入れるのが妥当だと考える。

私自身は,石炭で走る蒸気機関車が大好きなのだが,現代の社会では,博物館的な状況として走行させる例外的な場合を除き,大都市の中で煙をもくもくさせながら走行させるなどということは許されないし,経済的合理性にも反する・・・といった社会的変化を経過した後の状況の下にある。社会の変化は,業種それ自体を消滅させることが普通で,いつまでも同じモデルで生存できると考えることのほうがおかしい。

更に古くは,江戸時代までは武士が社会を支配したが,明治維新によってそのような社会モデルそれ自体が崩壊し,消滅した。

そもそも人間自身にも寿命があるではないか。

死するために生きているようなものだ。

運命は甘受しなければならない。

情報産業であるNHKが,情報論における常識のひとつである「モデル変化の速さ」を認識できないということは,極めて残念なことである。

もしかすると,そもそもNHKは情報産業ではなかったのかもしれない。もしそうであるとすれば,この点は,私の誤解・錯誤の一種に属する。

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(余談)

もしNHKが非常に良い報道番組だけを提供しているのであれば,その受信の対価を支払ってもよいと思っている。

しかし,現実は,異なる。

とりわけレベルの低いくだらない娯楽作品等についてどうして課金を強制されるのか,まるで理解できない。

私見を理解にしくい人は,NHKが放送している番組というコンテンツが強制課金を正当化するだけの良いものであるかどうかを考えてみると良いと思う。

課金を強制することが合理的だと思えるようなコンテンツは,皆無だとは言わないが,ほとんどないではないか。

人々が映画館に入場していなくても強制的に映画館入場料を徴収するようなはなしだということを素直に理解すべきだと思う。

そして,それを可能とするような法律条項は,もちろん憲法違反であり,無効なのだ。

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