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2014年1月31日 (金曜日)

伴 とし子『応神と仁徳に隠された海人族の真相』

下記の書籍を読んだ。

 応神と仁徳に隠された海人族の真相
 伴 とし子
 新人物往来社 (2012/12/25)
 ISBN-13: 978-4404042804

これまであまり興味をもっていなかったので丹波系(海部氏)の歴史について書いた書籍をほとんど読んでおらず,自分で資料を独自に分析しながら自分の考えをまとめてきたのだけれど,海部氏が大王家だった時期があるという説には賛成できる部分があるので,この際まとめて読んでしまおうと思い,いろいろ読んでみた。上記の書籍が一番よくまとまっているのではないかと思う。

ただ,海人族が衰退した原因について,政治抗争だけで説明するのには賛成しない。

私は,海退により海岸の地形が根本的に変わってしまったこと,そして,朝廷の軍が陸路で侵攻することが可能になったこと,以上のような自然環境の変化が社会や戦争のあり方に根本的な変化を発生させたのではないかと思っている。

平野の乏しい小島で構成されている地域では,当然,海軍主体となる。

平野の多い地域では,当然,陸軍主体となる。

それが,古代豪族の末裔達の記憶に深く刻み込まれる。

明治維新以降に設立された西欧型の大日本帝国陸軍と大日本帝国海軍とは,ソリの合わない部分がしばしばあった。これは,軍の構成それ自体から必然的に発生する部分もあるけれども,海軍の陸戦隊でさえそうであったことから推定すると,そもそも太古の時代からの怨讐を引きずっているのではないかと思いたくなることがある。

江戸時代の学者の中には,様々な古文献について「偽書説」を唱えた者が少なくない。これは,単に身分が町民であったので大名家に伝承されている古代の歴史を知らずに勝手にそのように思ってしまった場合もあるのだろうけれど,本当は,古代豪族につながる者であり真の歴史を知っていているがゆえに,ある種の謀略のようなものとして偽書説を唱えて他豪族系統の歴史を抹殺しようとしたことがあるのではないかと疑うことがある。いってみれば,有力豪族の末裔のために奉仕する諜報機関であり,その謀略的宣伝工作の一種だった可能性があると考えるのだ。

学術的には,江戸時代に偽書説を唱えた史家の歴史的な出自をきちんと調べる必要があるのではないかと思う。

しかし,政治的・社会的・経済的見地からすると,現代では,そういう古代の出自や怨讐にこだわるべきではない。あまりにも小さすぎる。君子や大人のなすべきことではない。

世界に眼を向け,世界の中での日本というものを常に考える必要がある。

学問の領域においてもまたしかり。

(余談)

「枯野船(加羅の船)」については以前にも書いたが,この書籍でも結構詳しく触れられている。

私は,伴氏の見解に賛成したいと思う。

このような理解は,朝鮮の歴史書である『海東諸国記』にある記述とも一致することになる。

そうなると,「枯野船」のことについて,「新羅から来た船」とする金達寿の理解は誤りで,「加羅国を攻略するために用いられた船(=神宮皇后による朝鮮征伐)」ということにならざるを得ないのではないかと思う。

反対説もある。しかし,『古事記』と『日本書紀』だけを真実とし,その他は全て虚構とするのは,いかにもおかしい。少なくともまともな学問ではない。

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