天皇旗
全く別の調べものをしていてたまたま知った。不勉強にして,これまで正確なことを知らなかった。恥ずかしい。
赤地に金菊花文様であり,色は異なるが全体として日章旗と似ている。
ところで,過去の日本においては,社会主義者や共産主義者が弾圧されてきた歴史がある。そのシンボルは,赤い旗(紅旗)だった。
日本の特殊警察等が社会主義者等を徹底的に弾圧した深層心理には,その思想がどうのこうのという前に,天皇陛下の御旗の類似品を振りかざすことは不敬の極みであり,決して許されることではないというような気持ちがあったのではないかと思った。
明治時代に制定された大日本帝国陸軍の各種軍旗は,天皇旗をデフォルメした形式のものが用いられており,いずれも赤地に金菊花文様の旗だ。
旭日旗ではない。
ちなみに,赤い旗を天皇の旗とすることは明治時代に制定された法令に基づくものであるので,社会主義国家の国旗として紅旗または赤旗が制定されるよりずっと古いことであり,大日本帝国が社会主義諸国の国旗を模倣したというようなことは歴史的にあり得ないことだ・・・ということは言うまでもない。
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菊花の図案は,唐からもたらされた竹,梅,蘭,菊などの古典園芸文化に由来するもので,平安時代に確定されたものだというのが定説だ。
私が興味をもつのは,日本では,貴族階級や武士階級だけではなく町民も家紋をもっていること,そして,その中には植物を図案化したものが非常に多いことだ。
家紋という概念が成立する前に,特定の種類の植物を氏族のシンボルとする伝統のようなものがあったのかもしれない。
古代倭人の国である伽耶国と植物の「萱」との関係について指摘する研究者は決して少なくない。
私の素人的な想像としては,弥生時代において柱や桁があり萱葺きの屋根をもつ家屋を建てることができたのは相当有力な渡来人系豪族だけだったと思われるから,もしかすると,伽耶国から移住してきた人々の住む家のことを指す言葉が,萱葺き建築の普及とともに当初の意味を失い,葺くための植物である萱(葦)のことを指すようになったのではないかとも考えたりする。
あまりにも古い時代のことなので,証明しようがないのだが・・・
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