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2013年11月 6日 (水曜日)

英国:Tescoが顔認証による商業宣伝広告システムを導入

下記の記事が出ている。

 Tesco to scan UK shoppers for targeted advertising
 REUTERS: November 4, 2013
 http://uk.reuters.com/article/2013/11/04/uk-tesco-amscreen-idUKBRE9A30IO20131104

 Tesco petrol stations use face-scan tech to target ads
 BBC: 4 November, 2013
 http://www.bbc.co.uk/news/technology-24803378

商業活動に利用するのであれば,顔画像の取得の対価を支払うべきだと考える。その対価の合算額は,当該商業活動を実行する企業がシステムの導入・運用を断念するくらいの非常に巨額のものであることが望ましい。

法律家の多くは,肖像権について知的財産権の範囲内に押し込め,私人の普通の権利を希薄化するための努力を重ねてきたのだが,これは根本的に間違っていると考えている。学者は,自分が構築している理論の社会的意味といったものをもっと真面目に考えるべきだろう。

しかし,このようなシステムは,その真の主たる目的が商業活動のためのものではなく,国家の諜報機関による探知活動としてのデータ収集という目的を隠すための隠れ蓑のようなものなので,政府も裁判所も一般市民に助力することは一切ない。このことは当該システムを運用する企業でさえ知らないことがある。なぜなら,システム全体がアウトソース(クラウド化)されており,当該企業にとっては全部ブラックボックス化されている結果,本当はどのようなデータ処理が実行されているのかを知ることが物理的にできないからだ。

絶望的な世の中だと言える。

停電,落雷,竜巻,地震等によってそのようなシステムが破壊されてしまうことを祈願するくらいのことしかできない。

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