米国:連邦政府が,電子政府政策(政府機能の電子化政策)を縮小方向へと転換?
下記の記事が出ている。
A bunch of federal websites will shut down with the government
Washington Post: September 30, 2013
http://www.washingtonpost.com/blogs/the-switch/wp/2013/09/30/a-bunch-of-federal-web-sites-will-shut-down-with-the-government/
セキュリティ上の問題もあるが,予算上の課題のほうがより深刻なのではないかと思う。
名目上の人件費のカットを除くと,政府機能の電子化によって経費節減できたという実例は,これまでのところ存在しないようだ。
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コメント
立山紘毅 先生
今回の件は,直接的には連邦議会で予算案がもめていることに起因しているのですが,不要不急の部署からどんどん機能停止させて支出を抑えるので,政府機能全体の中で切られやすいところを推察するためには非常によい事例ということになります。同時に,連邦政府が政府機能の中で何を重視し何を軽視しているかを推察するにも非常に良い事例だと言えると思います。
そもそも歳入見込みが潤沢であれば予算案でもめることなどあり得ないので,将来的には現実に予算が大規模に枯渇する事態が発生することでしょう。
そうすると,推察が現実に変化するわけですよ。
このことは日本でも変わらないと思います。
根源的な理由について考えてみると,中小企業軽視政策が全ての原因だと考えます。
納税者というのは,本当は中小企業とサラリーマンです。
大企業は上手に納税を免れるために資金を大量に拠出してありとあらゆる手を使うことができます。中小企業とサラリーマンにはそれができません。
ですので,大企業の独占をどんどん進行させるような政策を重視しすぎると,当該成功した企業は世界企業になるかもしれないけれど,国内では納税せず,いつのまにかタックスヘイブンなどに本社を移転してどこにも納税しなくなります。要するに,特定の企業の特定個人を金持ちにするだけのことであり,国としては滅びます。
各国とも独占禁止政策を強化すべきでしょう。
投稿: 夏井高人 | 2013年10月 2日 (水曜日) 07時19分
夏井高人 先生
資本の論理を政府の論理に直接適用するのは変ですが、成果が出ないのも当然でしょう。
一般に固定資本となる機械装置などを高めて省力化を図れば(資本装備率を上げる、とか資本の有機的構成を高めるとか言う)、利潤率は低下する、そして、省力化は常に資本家の課題であるから利潤率は傾向的に低下する、というのは経営の大前提です。これをくぐろうとするから、企業の「ブラック化」が起きるわけです。
電子政府とは、そもそも人間の頭脳労働によって支えられるべき政府の活動を省力化のために機械化するわけですから、資本装備率の上昇と同じ。したがって利潤率は傾向的に低下する。つまりは成果がどんどん出なくなる、というのは「あったりまえ」に私は聞こえるのですが。
これを避けようとすれば、政府組織そのものを抜本的に見直し、少なくともグループ・ワークを大規模に取り入れて上意下達の官僚制に風穴を開ける一方、機械を補助要因にのみ止めて大幅な人員増を図ることで成果が出せる組織にして乗り切る以外にないと思いますが。
常識外れと嫌味が過ぎると自分でも思いますが(笑)。
投稿: 立山紘毅 | 2013年10月 1日 (火曜日) 23時52分