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2013年10月31日 (木曜日)

NSAはGoogleとYahooのデータセンター(クラウドサーバ)を通信傍受していた?

下記の記事が出ている。

 NSA infiltrates links to Yahoo, Google data centers worldwide, Snowden documents say
 Washington Post: August 31, 2013
 http://www.washingtonpost.com/world/national-security/nsa-infiltrates-links-to-yahoo-google-data-centers-worldwide-snowden-documents-say/2013/10/30/e51d661e-4166-11e3-8b74-d89d714ca4dd_story.html

 New docs show NSA taps Google, Yahoo data center links
 ats technica: October 31, 2013
 http://arstechnica.com/tech-policy/2013/10/new-docs-show-nsa-taps-google-yahoo-data-center-links/

ある新聞が日本ではNSAが通信傍受をしていなかったとして喜ぶような記事を書いていた。私は馬鹿ではないかと思った。米国にサーバがある米国企業のクラウドサービス(GmailやiPhoneなど)だけではなく,日本企業のクラウドサービスでも物理サーバが外国にある場合には,わざわざ日本国内で通信傍受をする必要性が全くない。また,海底ケーブルの出入口や衛星通信等は従来から完全に傍受されているので,そのような経路を用いる限り,国家の諜報機関による通信傍受を避ける手段は全くない。

そして,日本人は,世界でも最も舶来品を尊ぶ人種の1つだ。

そういうことを考えなければならないのに・・・知性が地に落ちている。

なお,SNS等のグループ利用において登録者以外はアクセスできないようにしてあっても無駄なことだ。国家の諜報機関は簡単に通信傍受し,暗号を解読してします。

だから,機密性を要する情報については,国外に物理サーバのあるサービスや国外の通信回線を経由するサービスを利用してはならない。ただし,国内のリソースに限定した場合,当然のことながら,日本国内でも何らかの方法で通信傍受が実行されることになるだろう。

国家による通信傍受行為に抵抗するための物理的な手段・方法はない。

[追記:2013年11月2日]

関連記事を追加する。

 Angry Over U.S. Surveillance, Tech Giants Bolster Defenses
 New York Times: October 31, 2013
 http://www.nytimes.com/2013/11/01/technology/angry-over-us-surveillance-tech-giants-bolster-defenses.html

[追記:2013年11月3日]

関連記事を追加する。

 Snowden document reveals key role of companies in NSA data collection
 Guardian: 1 November, 2013
 http://www.theguardian.com/world/2013/nov/01/nsa-data-collection-tech-firms

[追記:2013年11月7日]

関連記事を追加する。

 Googlers say “F*** you” to NSA, company encrypts internal network
 ars technica: November 7, 2013
 http://arstechnica.com/information-technology/2013/11/googlers-say-f-you-to-nsa-company-encrypts-internal-network/

 Google employees lash out at NSA over reports of cable tapping
 REUTERS: November 6, 2013
 http://www.reuters.com/article/2013/11/06/us-usa-security-nsa-google-idUSBRE9A514020131106

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コメント

そういう見方をする人が多いし,そうかもしれないのですが,よくわかりません。

私は,もっと簡単で素朴で単純な理解もあり得るのではないかと思っています。

投稿: 夏井高人 | 2013年11月 9日 (土曜日) 19時50分

夏井高人 先生

 そういえば、スノーデンはまんまとロシアのIT企業に潜り込みましたね。ひょっとしたら、というか、最初から、こいつはダブル・クロス、あるいはダブル・エージェントではないかという疑いを拭えなかったのですが、これでまた疑惑が深くなりました。

投稿: GX333+25 | 2013年11月 9日 (土曜日) 19時44分

立山紘毅 先生

日露戦争以来,世界は継続して世界戦争状態にあるとの説があり,私は賛成です。その特徴は,総力戦という一言に尽きるので,軍事目的または国防目的での諜報活動の対象には当然のことながら経済情報や科学技術情報を含め全ての情報が含まれるということになるでしょう。

だから,「戦時と平時が常に共存する状況」にあると主張しているんです。

日本人は暢気すぎますね。

投稿: 夏井高人 | 2013年11月 7日 (木曜日) 13時03分

夏井高人 先生

 立山紘毅です。

 もう一つ、日本の公安がなんでもほいほいと情報を出すから、わざわざ拠点を作る必要がない、という要素もかんがえなくちゃいけないでしょう。

 しかし、日本の経済情報・科学技術情報、外交情報は重要な諜報先としてマークしていたことを共同電が打っていました。

 8~9月にかけて鹿児島から二発、大花火大会をやっていたとき、あの技術水準や応用の方向性にアメリカもいい気持ちはしていまい、とは思っていただけに予感的中、といったところです。

投稿: 立山紘毅 | 2013年11月 7日 (木曜日) 12時39分

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