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2013年9月28日 (土曜日)

より世界と接続された未来社会では,人類はどのように変化するか?

下記の記事が出ている。

 The price of creating a connected future
 BBC: 27 September, 2013
 http://www.bbc.com/future/story/20130927-challenges-of-a-connected-world/1

私が思うには,普通の人間の脳における演算処理の能力はそれほど高くないので,おそらく,発狂者が続出し,殺人や破壊などにまみれた社会になり,結局,社会インフラの大半が荒廃して文明社会が滅びるというストーリーのほうがよほど現実味があるように思う。

仮にこの記事のとおりに順調に進んだと仮定した場合,人格は個人の脳内にある閉鎖的なものではなくなる。少なくとも法学に関する限り,これまでの基本理論の大半が全く使い物にならなくなるし,裁判所も機能しなくなる。おそらく,ネットを通じて自由自在に国民の人格を操作することになるのだろう。なにしろ,個人の人格というものがなくなり,集団意思の一部といったものに変容してしまうのだ。しかも,それはコンピュータの中にある。

[追記:2013年9月30日]

関連記事を追加する。

 The rise of digital motion sickness: Video games, 3D films and iOS7 set to make condition the 21st century's biggest occupational disease
 Daily Mail: 28 September, 2013
 http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2436638/Video-games-3D-films-iOS7-Why-digital-motion-sickness-tipped-21st-centurys-biggest-occupational-disease.html

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コメント

立山紘毅 先生

私は,緩やかな変化を否定するわけではないですけど,閾値みたいなものを俄然肯定する立場の人間です。

あとはご推察のとおりです。

投稿: 夏井高人 | 2013年9月29日 (日曜日) 19時58分

夏井高人 先生

 さすが先生は御覧になっていらっしゃいましたね。

 ただ私は「完全な破滅」ストーリーよりもむしろ「緩やかな衰退と堕落」ストーリーの方にリアリティを感じます。現実の世界もそのように進んでいますし(中国を見ていると、日本の後を急速に追って、急激な発達の中に衰退と堕落のシナリオを潜ませつつ、この国の数倍の勢いで進んでいる、と昨年3か月にわたってウォッチングした結論です。

 だから私はそういうシナリオをもつストーリーに興味があるのですが、このシナリオの弱点は、衰退と堕落の果てに何があるのか非常に想像しにくいところでしょう。

 ただ、ふと志郎正宗は日本という国家ないし社会に愛想を尽かして、そういう緩やかな破綻のシナリオを描いているような気がしています。ただ、それだけに行き着く果ての想像がしにくく未完の作品が大井のかな、とも……。

「超人」の登場は非現実的としても、いくつかが現実を衝いていれば私は良しと考えますが、もう一つ魅力的なのは「草迷宮」というエピソードとエンディングで暗示されたクサナギとクゼの淡い恋心でしょうか。これを前に遡って「東のエデン」が「迂闊な月曜日」のエピソードを描いているのも興味深いのですが、あのクリエイター集団、私なんかのようなクソ研究者モドキなど足下にも及ばない才能の持ち主だな、と感じることしばしです(まぁ、60発の巡航ミサイルを全部たたき落としたら、国際的な評価が下がるどころか、とんでもない脅威ということで国際政治が激変する蓋然性が高いというところはありますが)。

投稿: 立山紘毅 | 2013年9月29日 (日曜日) 17時21分

立山紘毅 先生

細かいところまでは覚えていませんが,視ました。最新版の雑誌連載も床屋で順番待ちしているときなどに読んでいます(笑)。

しかし,現実には超人は絶対に誕生し得ないし,人類はコンピュータに押しつぶされておしまいになると思います。同じ理由で,映画マトリックスのネオも絶対に発生し得ないと考えます。

ただ,事態が深刻化する前に内部者による破壊活動によって世界中のコンピュータが大混乱を発生させ,社会の支配層の財産権(←当然全てデジタルデータ化されている。)が全てゼロになり,支配層としての支配権の根源を喪失してしまったり,また,主要なエンジニアが全員発狂して死んでしまうといったことが生ずるおそれは十分あります。

すると,支配層を失ってしまう結果,文明社会が世界的にかなり壊れます。また,エンジニアが崩壊するので,交通手段も通信手段も失われてしまいます。

そのような状態から世界をつくりなおすというストーリーはあり得ると思います。

この場合,インフラが全て機能しなくなるので,物理的な格闘力の高い者が支配する『北斗の拳』や『Mad Max』的な世界が出現する可能性のほうが高いと思います。要するに中世くらいに戻るということです。

まあ,何というか「攻殻機動隊」の場合でも,相当長期間にわたり社会が表面上安定して成長した後の世界を描いているわけですし,人間の能力を信ずるということを前提にしているわけですが,私の場合,そうならないだろうという予測をしていることになりますし,人間がいかに脆弱で支配され殺されやすい生物かということを念頭に置いて思考していることになりますね。

とは言っても,世界の物質的資源はそろそろ枯渇しはじめているので,システムを構築するための物的資源に不足してしまい,こうした悲惨な未来まで行かないでおしまい・・・というストーリーも十分にあり得ると思います。この場合,無理して鉱物を採掘したり,無理して核融合的エネルギーを求めたりする結果,深刻な環境汚染や核爆発以上の被害を発生させる重大事故などにより,生物としての人類の大半が生物として生存できなくなってしまい死滅してしまうという未来もあり得ると考えています。

これ以上の開発とイノベーションを全て禁止すれば,最悪の事態の発生は避けられます。

しかし,無理ですね。

だから,最悪の未来は現実にあり得る未来だろうと思っています。

投稿: 夏井高人 | 2013年9月29日 (日曜日) 04時59分

夏井高人 先生

 先生は「Ghost in the Shell Stand Alone Complex 2nd GIG」を御覧になりましたか? できれば、総集編の「Individual Eleven」よりも25回全部を見て欲しいのですが……ストーリー・コンセプトを提供している押井守のカラーに染め上げられているので好悪の感情はくっきり分かれますが、先生御指摘の問題状況が見事に描かれていて驚嘆します。

 ただ、このような状況下でシステムと融合化しつつ、それを超越する驚異的な超人の複雑微妙な感情がシステムを揺さぶる、というあたりが際だって優れたストーリーですが、いわゆる「超人思想」ではありません。

 むしろ、一度絶望の淵を転落した人間が力尽くで這い上がって、というあたりに共感を感じますが、もし御覧でなかったらぜひ……全部で13時間近くにはなりますが、無駄な時間にはならないと思いますよ。

 ちなみに私はこのオープニングがアニメーションのオープニングの最高傑作と信じて疑いません(押井守絡みにしては珍しく川井健次ではなく、菅野よう子ですが、実に冴えたスコアを提供してますし、漢字ロゴというものがこれほどにビジュアルに優れたものであることをEU版と比較して痛感しました)。

投稿: 立山紘毅 | 2013年9月28日 (土曜日) 23時27分

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