河合幹雄「刑事政策は右傾化しているのか」
罪と罰50巻4号が届いたので,読んでみた。特集記事である「各国の性犯罪対策」も勉強になったが,河合幹雄「刑事政策は右傾化しているのか」という論説を読んだら「そうだよな~~」と思ってしまった。
以下は,この論説とは関係のない一般論。
日本の政府について「右傾化」しているとの批判がある。そのように書きたてて煽っている新聞もあることは事実だ。
では,日本における「右傾」とは,本来何を意味するのだろうか?
基本的に,「右翼」とは国家体制を固守する側の人間を言う。これは政治学の常識。
だから,例えば,現代中国において「右翼」とは中国共産党を絶対視し,中国共産党指導者の指導・指示に完全に服する立場の人間のことを言う。
さて,日本における国家体制とは,日本国憲法に定める国家体制のことを言う。したがって,日本において「右傾化」という表現を使う場合には,「憲法秩序を固守し,憲法改正に絶対反対」の立場の人間をいうことになる。憲法改正を強く主張する者は,どのような方向での改正意見にせよ,政治学的には現行憲法秩序の修正ないし破壊を求める者として「極左」ということにならざるを得ない。
マスコミ的理解と正しい理解との乖離が著しい事例の一つと言えるだろう。
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