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2013年8月11日 (日曜日)

これからの時代は米国の要求により暗号化された電子メールが許されない時代になるのか?

下記の記事が出ている。アメリカのプロバイダではなくドイツのプロバイダの記事だ。

 Crypto experts blast German e-mail providers’ “secure data storage” claim
 ars technica: Aigist 10, 2013
 http://arstechnica.com/business/2013/08/crypto-experts-blast-german-e-mail-providers-secure-data-storage-claim/

ちなみに,このドイツのプロバイダのような電子メールサービスは,プライバシー保護のための機能を提供するサービスの一種だ。

ということは,米国からの要請があれば,各国のプライバシー保護は屈服しなければならない状況になったということを意味する。拒否するのは自由だろうけれど,おそらく,攻撃されて潰される。

世界秩序は一変した。

世界の人々は米国軍及び諜報機関に服従しないわけにはいかない。

・・・というわけで,従前から主張しているとおり,インターネットを使うのをやめよう。

「スマートな社会」とは,ほぼ完全な「統制社会」を意味する。その統制者とは,もちろん米国(軍及び諜報機関)以外にはあり得ない。

米国の大統領でさえ,それを制御することができない。

(余談)

一般に,「法の支配」は,その「法」を強制するための物理力を伴うものでなければ全く意味を持たない。

物理力は国家の実力によって差異があるから,観念的には個々独立の国家主権もまた,その実力の差に応じて平等ではない。

当然のことながら,個々の国家主権における物理力の差異は,当該国家主権において通用すべき「法の支配」の実質的内容にも差異を発生させる。

つまり,これまで法哲学者や憲法学者や裁判官等がその存在を信じてきた「法の支配」はない。

結局、ホッブズが最も正しい・・・と書くと,すぐに曲解して妙な評論を書く馬鹿者が出てくるので困る。

私が言いたいのは,世界には「万人の万人に対する闘い」しか存在せず,ホッブズ以降そのことが少しも解消されてないということに尽きる。

だからこそ,法学としては,私見である「免罪符説」くらいしか実用性を持ち得ないのだ。

[追記:2013年8月14日]

関連記事を追加する。

 NSA-proof email encryption? Cobblers, sniff German hackers
 Register: 13 August, 2013
 http://www.theregister.co.uk/2013/08/13/deutsche_mail_scorned_by_hackers/

[このブログ内の関連記事]

 Snowden氏が利用していた電子メールプロバイダが,米国連邦政府の命令によりシャットダウン
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/snowden-3c5b.html

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