米国シリコンバレーの大手IT企業は,NSAから莫大な資金提供を受けて国際的な諜報活動(通信傍受)に協力していた
下記の記事が出ている。
NSA paid millions to cover Prism compliance costs for tech companies
Guardian: 23 August, 2013
http://www.theguardian.com/world/2013/aug/23/nsa-prism-costs-tech-companies-paid
Silicon Valley slurped millions of NSA cash for PRISM participation
Register: 23 August, 2013
http://www.theregister.co.uk/2013/08/23/silicon_valley_slurped_millions_of_nsa_
cash_for_prism_participation/
問題のIT企業には,Google,Yahoo,Microsoft,Facebookが含まれる。日本の企業も全く無関係ではない。
私が思うには,単なる通信傍受のレベルを超えて,とりわけクラウド型サービス等では端末側の利用者のマシンに直接介入してその動静を知るようなことも行われてきたと考えるるしかない状況証拠があまりにも多すぎる。関連企業の大部分がNSAの共犯者のようなものだから,その事実を認める企業は1社もないだろうとは思うが・・・
それにしても,これだけの巨額の資金提供を受けているとすれば,その名目はどうであれ,金額それ自体としては当該企業の帳簿等の会計資料に反映されているはずなのだが,これまで一度も問題にされたことがないところを見ると,企業会計法上の不正行為が存在したことにもなる可能性を否定できない。これらの企業は,会計書類のどこにその金額が反映されているのかを明確に公示しない限り,関連法令に違反している疑いのある企業だと考えることが可能ではないかと思う。
[追記:2013年8月25日]
関連記事を追加する。
The Pentagon as Silicon Valley's Incubator
New York Times: Aigist 22, 2013
http://www.nytimes.com/2013/08/23/technology/the-pentagon-as-start-up-incubator.html
この支払それ自体が,法的根拠なく違法に行われたものであることが既に判明していることから,重大疑獄事件へと発展する可能性は否定できない。日本の旧軍隊関連でも超巨大疑獄事件が何度か発生したものの,そのたびにうやむやにされてきたという歴史に鑑みると,今回の事件の全貌が明るみになることはないのかもしれないが,モンテスキューの言うとおり,「権力は必ず濫用される」ということを忘れてはならないのだ。
N.S.A. Said to Have Paid E-Mail Providers Millions to Cover Costs From Court Ruling
New York Times: August 23, 2013
http://www.nytimes.com/2013/08/24/us/nsa-said-to-have-paid-e-mail-providers-millions-to-cover-costs-from-court-ruling.html
なお,下記のような記事も出ている。もっともだと思う。
How secure are the National Security Agency spy lines?
ZDNet: June 12, 2013
http://www.zdnet.com/how-secure-are-the-national-security-agency-spy-lines-7000016752/
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