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2013年8月19日 (月曜日)

Googleが,外国において訴訟を提起されても米国の法律しか適用されないと主張

下記の記事が出ている。

 UK law has no power over us, says Google: Outrage at search giant's arrogance in snooping case
 Daily Mail: 19 August, 2013
 http://www.dailymail.co.uk/news/article-2396809/Google-says-UK-law-power-Outrage-search-giants-arrogance-snooping-case.html

Googleの主張は,一応正しいように見える。Googleの利用約款によって国際的裁判管轄権及び準拠法が米国及び米国法と規定されているからだ。

しかし,本当は正しくない。

契約関係にない者との間では,約款が適用される余地がないのだが,Googleと契約関係にない者については,通常の不法行為法における条約及び法令に基づいて国際的裁判管轄権及び準拠法が決定される。

そして,日本及び多数の国においては,国際合意に基づき,消費者が原告となる不法行為訴訟については,自国の裁判所において自国法を適用して訴訟を提起することができるものとされている(日本法では,民訴法及び通則法)。

なお,当事者間に契約が存在する場合の債務不履行に基づく損害賠償請求訴訟については,解釈が若干面倒だけれども,結論としては結局同じことになる。

もっとも,日本において得た勝訴判決に基づき,原告が米国において強制執行をすることができるかどうかについては,別問題として残る。

[追記:2013年8月20日]

関連記事を追加する。

 Google wants UK privacy case tried abroad, lawyer claims
 BBC: 19 August, 2013
 http://www.bbc.co.uk/news/technology-23756243

 Google trying to evade UK privacy laws, campaigners claim
 Guardian: 19 August, 2013
 http://www.theguardian.com/technology/2013/aug/19/google-privacy-laws-uk-lawsuit

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