英国:自動車の電子施錠システムの脆弱性に関する論文の公表について,裁判所が差し止め命令
下記の記事が出ている。
Car key immobiliser hack revelations blocked by UK court
BBC: 29 July, 2013
http://www.bbc.co.uk/news/technology-23487928
High court bans publication of car-hacking paper
ars technica: July 29, 2013
http://arstechnica.com/tech-policy/2013/07/high-court-bans-publication-of-car-hacking-paper/
自動車の電子ロックがほとんど無意味なものとなっていること(=簡単に電子的に解錠できてしまうこと)は,既に世界中の常識のようなもので,誰でも知っている。また,自動車のディーラーの中でその事実を否定する者はただの一人もいない。
だから,いまさら論文が公表されても何ら実害が増加するわけではない。単に自動車メーカーが「安全だ」と嘘をつき続けているという事実が明確に証明されるというだけのことに過ぎない。
英国の裁判官は,そういうことを知らないのだろう。あるいは,当該英国裁判官の親族等に自動車企業の人間でもいるのかもしれない。
世界中どこでも世間とはそうしたものだ。
「正義」が通用することは,稀有とは言わないが,そうそう頻繁にあることではない。
[追記:2013年7月31日]
関連記事を追加する。
Car hacking scientists agree to delay paper that could unlock Porsches
Guardian: 30 July, 2013
http://www.theguardian.com/technology/2013/jul/30/car-hacking-ignition-injunction
| 固定リンク
コメント