米国:NSAによる通信傍受が米国のクラウド産業に深刻な悪影響
下記の記事が出ている。
PRISM revelations result in lost business for US cloud companies
ars technica: July 27, 2013
http://arstechnica.com/tech-policy/2013/07/prism-revelations-result-in-lost-business-for-us-cloud-companies/
どんなに厳しくセキュリティを確保しているパブリッククラウドサービスでも政府諜報機関による傍受活動を阻止することは不可能だということは随分と以前から指摘されてきたことだし,そのような論文や記事を見つけるとこのブログで紹介するようにしてきた。決してちょっとおかしな人々による過激な指摘ではない。非常に有名な世界的なIT企業研究所の研究者らも深刻な問題だとして指摘し続けてきたことだ。
だから,その事実がリークされようとされまいと関係なく,クラウドのセキュリティにはそのような阻止し難いリスクがあるということを常に理解すべきことになる。それゆえ,完全なクラウドでは営業秘密などの機密性は喪失するという理論をかなり以前から提示してきた。
しかし,反応は厳しかった。
特に日本の情報セキュリティやシステム監査等の仕事をしている人々からの批判にはしんどいものがあった。
私は,彼らの立場を理解することはできる。私の見解を受容することは自分が職を失うことと直結するからだ。しかし,それは私利または自己の利益に過ぎない。少しも真理とは関係ががない。
だから,私の見解を厳しく批判してきた人々は,それぞれの自分の立場で自分の主張をするのはそれぞれ全く自由なのだけれど,しかし,「立場上,真っ赤な嘘をつくしかない」ということをちゃんと認め,広く一般に周知した上で,あとは国民や顧客の判断に任せるべきだろうと思う。
気象変動でも原子力発電でも何でもそうなのだが,そういうことがあまりにも多すぎる。
インターネット上では機密性を完全に維持することはできない。
法律用語では,これを「原始的不能」という。
[追記:2013年9月13日]
関連記事を追加する。
CloudFlare CEO: ‘Insane’ NSA gag order is costing U.S. tech firms customers
Washington Post: September 12, 2013
http://www.washingtonpost.com/blogs/the-switch/wp/2013/09/12/cloudflare-ceo-says-insane-nsa-gag-order-is-costing-u-s-tech-firms-customers/
[追記:2013年9月16日]
関連記事を追加する。
Analysis: Despite fears, NSA revelations helping U.S. tech industry
REUTERS: September 15, 2013
http://www.reuters.com/article/2013/09/15/us-usa-security-snowden-tech-analysis-idUSBRE98E08S20130915
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