JRのSuica個人データ大量売りさばきビジネス
下記の記事が出ている。
Japanese railway company plans to sell data from e-ticket records
ars technica: July 7, 2013
http://arstechnica.com/business/2013/07/japanese-railway-company-plans-to-sell-data-from-e-ticket-records/
日本では,事実上,個人情報保護は存在しない。
(余談)
本文とは関係がないが,有名な『魏志倭人伝』には「親魏倭王卑弥呼に制詔す。帯方の太守劉夏、使を遣わし汝の大夫難升米・次使都市牛利を送り、汝献ずる所の男の生口四人、女の生口六人・班布二匹二丈を奉り以て到る。汝がある所遥かに遠きも、乃ち使を遣わし貢献す。これ汝の忠孝、我れ甚だ汝を哀れむ。今汝を以て親魏倭王となし、金印紫綬を仮し、装封して帯方の太守に付し仮綬せしむ。汝、それ種人を綏撫し、勉めて孝順をなすべし」との詔書があったとの記載がある。
「魏」に恭順する「倭(和)」の王の地位を認めてもらうという重要な結果を得るために,生口男女合計10名を献ずるというのは,人権思想も何もない当時のこととしては,非常に安上がりだったというべきではなかろうか?
ただし,当時の「倭(和)」の国力からすると,海上輸送能力及び兵站能力共に極めて劣悪であり,使節団に加え「生口」10名を輸送するのがやっとギリギリの限界だったということを中国側が正しく認識・理解し,それゆえに褒めたということも考えられる。ロジ系の能力の不足は,その後の日本史において頻繁に現れる。日本国内という非常に狭隘な領土内での戦略・戦術を発達させた日本人にとっては,より拡大された地理的領域におけるロジ系の確保のための思想が少しも発達しなかったことには無理からぬ面があるのかもしれないが・・・
「大夫難升米・次使都市牛利」は極めて難解だが,メイン大使の者は,よくわからずに「何如にすべきや?」ばかり口にし,サブ大使(帰化人?)の「としより(江戸時代の若年寄等と同じ趣旨であり,目付けのような存在であったかもしれない。現代でも実質的な権力・実力を有する者のことを「としより」と呼び尊重する例がある。日本では太古から建前上の代表権者と実質的な権力者との二重構造が常にどの場所でも存在していた可能性がある。日本の名目代表取締役等もその一例として考えることができる。)」から助言を得てばかりいたので,そのような名前の者だとして記録された可能性がないわけではない。すなわち,本当の名はわからない。
なお,当時,朝鮮半島を中国領として統治する職務上の地位・権限を有していたのは帯方郡の太守・劉夏であったことがわかる。「劉」という姓からして中国人であると思われる。名の「夏」は若干疑問だが,この分野の専門家ではないのでよくわからない。
また,「生口」の意義については諸説あるけれども,同書の別のところに「その行来して海を渡り、中國に詣るためには、恒に一人をして頭をくしけらせず、蟣蝨を去らせず、衣服を垢で汚れたままとし、肉を食わせず、婦人を近づけず、喪人の如くせしむ。これを名づけて持衰と為す。もし行く者吉善なれば、共にその生口・財物を顧し、若し疾病有り、暴害に遭わば便ち之を殺さんと欲す。その持衰謹まずといえばなり」との記載があることからすれば,自明に属するものと思われる。
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