妙な夢で目が覚めてしまった。
JR常磐線の電車に乗り,到着した上野駅のホームに降りると,ホーム上では人でごったがえしており,何かお祭りのようなことをやっている。
栽培棚のようなものの上にずらりと並べて羽蝶蘭の苗を売っている。黄色の花を咲かせるものなどとても珍しい品種があったので購入した。
その茎はなぜか石斛風なのだが,花は羽蝶蘭のような感じ。遺伝子組み換え品種かもしれない。
気づくと,周囲の人々の服装はなぜか江戸時代の庶民風・・・そして,ホームに到着する列車は黒光りする蒸気機関車・・・
とにかくその羽蝶蘭の苗を持ち帰って観察していると,なぜか戦国武将の合戦の際の陣場配置図のようなものが目に入る。真っ黒な甲冑を身に着けた武将が,このような「羽蝶蘭を売りに出すとはけしからん」と怒鳴っていきり立っている。
しかし,相手の城に攻め込もうとはしないで,単に陣取っているだけ。
そんな様子からしびれをきらしたのだろう,総大将のような殿様が黒紋付の羽織袴に大小を腰にさしただけ(甲冑なし)の姿で,「仕方がないわしが切るしかないか・・・」と言って一人で出陣しようと草鞋を結んでいる。すると,その家臣と思われる武士が同様の黒の羽織袴の格好で殿様の前にやってきた。
家臣はどら焼きのような菓子のようなものを手にしている。「この羽蝶蘭を焼いた菓子を売っておる。これまで漢医だけが独占していた生薬の知識を菓子の効能書きとして庶民に広められたのでは社会秩序が乱れる。殿様が出陣するには及びませぬ。わしが切ります。」と言っている。
すると,なぜか裁判所の判決が読み上げられ,「この菓子に添付された効能書きには本邦において古より広く知られている唐国の知識を効能として記載しただけであるので,創作性はなく,新規性もなく,権利侵害には該当しない」との声が聞こえる。
仲間の武将達はますます憤慨したような様子を示してはいるが,合戦に参加するということで陣取っていた陣場をどんどん引き払って自領に帰る支度を始めている。大義名分がなくなってしまったからだろう。
そんな様子を観ていた私の手にもなぜかそのどら焼きのような菓子がある。
食べてみると,甘い緑色の抹茶餡であり,生薬の成分は何も含まれていないようだ。その効能書きを読んでみても,愚にもつかないことしか書いておらず,武将が合戦をするまでのものではない。
「この武士達はみな馬鹿ではないか・・・」と思った。
しかし,言いだしっぺの殿様は,ますますいきり立ち,「これでは社会の秩序を維持することができない。やはりわしが切る!」と言って屋敷を出ようとし,家臣がそれを押し留めるというやりとりをしている・・・・そんなところで目が覚めた。
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