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2013年6月28日 (金曜日)

NSAがBCCを使った電子メールの送受信を通信傍受していたことが発覚

下記の記事が出ている。

 New leak shows NSA harvests To, From, and BCC lines of e-mail data
 ars technica: June 28, 2013
 http://arstechnica.com/tech-policy/2013/06/new-leak-shows-nsa-harvests-to-from-and-bcc-lines-of-e-mail-data/

私の「サイバー犯罪の研究(三)」では通信傍受に関する検討結果を公表した。その中では,国家の諜報活動としての通信傍受については意図的に検討対象から外すことにした。そのことは同論文中に明記してある。そして,そのようにした理由は,実は,同論文執筆当時,既に,この種の国家機関による通信傍受の存在が常識的なものとして広く認識されていたからだ。今回のリークは,その具体的な内容を具体的に証明するかたちで明らかにするものであり,少しも国家機密に属しない。誰でも知っていることを「そのとおりだ」と述べているのに過ぎない。

基本的に,戦時の法の下においては,「基本的人権」は存在しないし,基本的人権の一種である「通信の秘密」も存在しない。そして,現代の状況は,常に「戦時と平時が共存する状況」の下にある。

結局,平時の法が適用される部分領域においてのみ,擬制的に,「基本的人権」が存在するものとして取り扱われており,その存在をもって特定の法的主張の根拠とすることが許容されるという程度のことに過ぎない。

かくして,憲法の領域においても,その根本理論を含め,教科書等の全面書き直しが必要になっていると理解している。

平時の法のみを前提にした憲法教科書は,まるで無意味だし,無力でもある。

更に検討すると,特定の宗教感や宗教的価値観等に基づく法哲学は,この問題の解決策とならないだけではなく,逆に世界の破滅をもたらす。

先日の大学院の講義ではそのことにも触れ,結局,「人類の生存」をどう考えるかということに問題解決のヒントがあるという見解を示唆した。

そのことを正しく理解するためには,日々,宇宙全体,銀河系及び太陽系の物理的変化に思いを及ぼし,地球上の気象現象や地殻変動等のデータを詳細に観察し,その影響を露骨に受けていると推定されている身近な動植物多数の状況を観察し続けることが必要となる。

それら全部を長期間にわたり常に同時にこなすことのできる者だけが正しく考察することができる。

[追記:2013年6月30日]

関連記事を追加する。

 The Criminal N.S.A.
 New York Times: June 27, 2013
 http://www.nytimes.com/2013/06/28/opinion/the-criminal-nsa.html

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コメント

立山紘毅 先生

コメントありがとうございます。

何かと面倒な世間です・・・

投稿: 夏井高人 | 2013年7月 4日 (木曜日) 17時48分

夏井高人 先生

 公務員制度に関してはそのとおりだと思います。そもそも、三権分立といっても、大統領府と行政権が並立しているわけで、しばしばモンテスキュー型の三権分立の典型という言い方が間違っていると思っています。したがって、猟官制を採用しているのは大統領府ほか、限定的であって、それ以外の膨大な機構を構成する公務員はけっして猟官制ではありません。

 しかも、軍隊を除いた公務員数にしても、「小さな政府」をうたいつつ、日本よりは遙かに大きいわけで、こんな初歩的な事実さえ覆い隠して「小さな政府」を唱えるのは詐欺だと思っています。

 戦争と平和が共存した状態にある、戦争と平和とは二項対立的な関係にはないということはそのとおりです。ただ、私が潜在的、というのは、戦時体制は見えない下層に沈んでおり、上澄みとして「平和」が覆っている、そういう意味です。

投稿: 立山紘毅 | 2013年7月 4日 (木曜日) 11時45分

立山紘毅先生

米国では,国家公務員制度が日本とは全く異なっている・・・と憲法や行政法で教えるのが普通です。しかし,私は,授業の中でそのようには教えていません。米国にもいろいろと例外があり,完全な官僚制になっている組織もあります。それは,軍と諜報機関です。そのことから派生する諸原理は当然ご理解いただけると考えます。

最近は全く海外出張しなくなりましたが,米国の大学や企業等を訪問すると必ず「ミリタリー」が寄付した施設や建物等があります。米国の特徴を一口で表現するとすれば,それは「軍」です。米国はローマ帝国の再現だというのが私の実感です。

「力」のないところに「正義」などあり得ないので,論理必然的な当然の帰結ということになりましょうか・・・

ちなみに,「戦争準備中」ではなく,常に「戦争中」です。だから,この点に関する従来の学説は根本的に間違っており破棄されるべきだと何度も述べているんです。

法理論は,「戦時と平時が常に共存する状況」が常態であることを前提に根本的に再構築されなければなりません。

現在の法学教科書の9割以上は捨てざるを得ないでしょう。意味がないからです。

投稿: 夏井高人 | 2013年7月 4日 (木曜日) 06時31分

夏井高人 先生

 立山紘毅です。

 この前ふと考えていたら、現代の米軍というのは常時戦時編制に準拠している存在なんだ、と思い当たって戦慄を覚えました。これに対して、自衛隊の方がむしろ平時編制で常備されている、というのは、米軍からすれば、はなはだ面白くない存在なんだろうな、と。

 しかし、すでに米国の国家財政は、米軍よりも社会保障経費の方が多くなっており、それは決して「大砲よりバター」の選択を行った結果ではなく「福祉」の仮面をつけて、保険屋や医療関係企業のふところに流れ込んでいるだけ、とも。したがって、次にアメリカ経済への不信感や中国政府が米国債を投げ売りしたら(日本とは違って「同盟関係」なんぞという義理がないから、中国塗料バブルの崩壊は容易に米国債売りの動機になり得る)、アメリカ長期国債の暴落→ドル高円安→日本の輸出企業への「慈雨」となって、またまた「ただ乗り批判」として噴き出してくるんだろうな、とも……。

 結局、アメリカ一極支配体制とは、潜在的戦時体制を世界へ垂れ流す構図であって、それゆえ基本的人権など、どこかへ吹き飛ばし、ちょうど自由貿易がそうであったように「人権保護」もまた、国際政治上の「武器」たりうるときだけ発動される存在に変質してしまったのだろう、と考えたら、昨今の「改憲是か非か」とか「96条の会」とか、すっかりばかばかしく感じられてきました(96条の会、というのが、ネーミングからして「9条の会」への当てこすりであることはメンツを見ると学会政治の延長だな、と気づいてなおさらアホくさくなりました)。

 だから、ウィキリークスといい、今度の騒ぎといい、世界中の政府が戦々恐々とするわけでしょう。

 それでも「悪法も法なり」と唱えるセンセイ方の方が、きっと「良識ある学者」と評価されるんでしょうね、きっと。

 こういう良識なら、私は持ちたいと思いません。

投稿: 立山紘毅 | 2013年7月 4日 (木曜日) 03時11分

田原 様

コメントありがとうございます。

タイトルを修正しました。

それ以外は修正の必要が全くないので,そのままです。

投稿: 夏井高人 | 2013年6月28日 (金曜日) 12時34分

元記事は英放送局のBBCのことではなくてEメールのメタデータ(ToやFromやBCCなど)を米政府が収集していたということです。

投稿: 田原 | 2013年6月28日 (金曜日) 09時51分

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