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2013年5月 2日 (木曜日)

薄い紙に埋め込んで使用するRFIDチップ-スマートペーパー

下記の記事が出ている。

 US scientists develop smart RFID-enabled paper
 BBC: 1 May 2013
 http://www.bbc.co.uk/news/technology-22369628

このアイデアは古くからあるし実験例等もあるので,微塵も新規の技術ではないが,一般的に実装され普及される見込みになってきたという事実を注目すべきだろう。

紙幣や貨幣にRFIDチップが埋め込まれ,常にリモートで個体識別可能になると,紙幣や貨幣の法的性質に関する民法学上の理論に影響を与えることが避けられない(影響が全くないと考える法学者は,「馬鹿である」と公に自認するようなものだ。)。

他方で,紙幣に組み込まれたRFIDチップを利用した個人識別も当然可能となるから,それに伴う様々な法的問題が生じ得る。

テロリストやストーカーなどが悪用する場合,紙幣の所在地をトレースしてターゲットとなる者の場所を突き止めるということができることになるだろう。

以上の言説については,「セキュリティがしっかりしているから大丈夫」と説明されるのが常だ。これまでのほぼ全てのデバイスやシステムについてそうだった。しかし,破られなかったデバイスやシステムは,ただの1種類もない。

私は,「大丈夫ではない」と正直に述べた者については不問にしたいと考える。本当は大丈夫でなくても,様々な理由や時の勢いのようなものに押し流されてしまうことは人類の歴史上多々あった。それを責めるのは酷なことがある。

しかし,「大丈夫」と保証した専門家や政府担当者については,そうではない。明らかに大丈夫ではないものを大丈夫と保証することは,馬鹿であるか嘘つきであるかのいずれしかない。破られたことが判明した後,社会からの完全追放を考えるべきだろうと思う。

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