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2013年4月25日 (木曜日)

米国:児童ポルノ所持の容疑者に対し暗号化されたデータの復号を命ずることは自己負罪(自白の強要)を禁ずる連邦憲法に違反するとの判決

下記の記事が出ている。

 Fifth Amendment shields child porn suspect from decrypting hard drives
 ars technica: April 25, 2013
 http://arstechnica.com/tech-policy/2013/04/fifth-amendment-shields-child-porn-suspect-from-decrypting-hard-drives/

PCのパスワードを教えるように強いる行為が自白の強要に該当するという議論はこれまでもあった。

このブログでは,暗号鍵の提供を含め,暗号の解読や復号を強要する行為も同じだということを述べてきた。

同旨の判決が出たことは心強い。

捜査機関にとっては都合の悪い判決かもしれない。しかし,捜査機関は電子的な捜査能力を高める努力をすべきであって,被疑者(容疑者)を無理強いすることによって課題を解決しようとしてはならない。

なお,もし賢い犯人なら,逆に捜査機関を利用することを考えるかもしれない。それは,多重暗号だ。複数のファイルを合体して暗号化しておき,全部または個々のファイルを復号するためのパスワード等を別のものとするような仕掛けをするのだ。捜査機関に復号を命ぜられた場合には,問題のないファイルだけが復号するパスワード等を教えればよい。並の警察官であれば,暗号鍵は1個しかないと考えるから,暗号化されたファイルを復号した結果として問題のないファイルしか出現しなければ,それだけで諦めることになるだろう。

[追記:2013年4月27日]

関連記事を追加する。

 US child abuse image suspect shielded from decrypting hard drives
 Naked Security: April 26, 2013
 http://nakedsecurity.sophos.com/2013/04/26/us-child-abuse-image-suspect-shielded-from-decrypting-hard-drives/

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