自動車のWi-fi通信機能を拡張しスマートカーの開発を促進することは極めて危険との自動車業界専門家の指摘
下記の記事が出ている。
Wi-Fi expansion could harm smart car wireless network, automakers say
ars technica: February 13, 2013
http://arstechnica.com/tech-policy/2013/02/wi-fi-expansion-could-harm-smart-car-wireless-network-automakers-say/
危険性が指摘されても自動車のロボット化は更に推進されることになるだろう。ロボットは相互に通信し,操縦者である人間の意志とは無関係に走行するようになる。
そして,支配が奪われたり,通信の混乱が生じたりしたときには,とんでもない大惨事が発生することになる。
現在の自動車企業の中で,そのような大惨事による損害の賠償責任を果たすことのできるところはないのではないかと思う。
世間では,そういうことを「無責任」と呼んでいる。
ただ,多少うがった見方をすると,米国の自動車業界が非米国の自動車企業に対して牽制していると見ることも不可能ではない。あり得ることだ。
しかし,そういう政治的なことを考慮しても,やはりスマートカーは危険だ。スマート飛行機はもっと危険だ。
「スマート社会」をやめさせるような社会運動が激しく起きることになるだろう。
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http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-3ee9.html
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