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2013年2月11日 (月曜日)

近未来の入試カンニング

ナノテクノロジーと思念コントロール技術の進歩は著しい。

数年後には,Googleが開発中の眼鏡型のコンピュータが別に珍しいものではなくなってしまっているだろう。

何年か後には,ごく普通の眼鏡でありながら思念通信機能のある高性能コンピュータのようなものが非常に安価に流通する時代となっているかもしれない。

そういう時代には,現在あるような試験が無意味になってしまうかもしれない。

例えば・・・

1)思うだけでビッグデータのデータベースにアクセスし,知識を獲得してしまうので,知識の記憶を問うようなタイプの試験が全部無意味になってしまう。

2)思うだけで隣りにいる受験者と通信できてしまうので,ダミーでまぎれこんでいる優秀な受験者が契約した受験者に対して正解を教えてしまう。

といったことが可能となる。しかも,通常の試験監督では発見することが不可能だ。

というわけで,知識の記憶を問うタイプの試験問題は一切つくれないということになる。

では,どうしたらよいのか・・・

論文作成型の試験でも,思うだけで,模範答案をどこかからダウンロードできてしまうので意味がない。

面接審問をする場合でも,思うだけで,質問に対する回答をどこかから受信してしまう。

要するに,試験という社会的な仕組みが全て崩壊してしまう危険性がある。

もっとも,そういう時代になると,ほとんど全てのタイプの事務労働が必要なくなってしまっているだろうから,そもそも雇用需要や募集というものが全くなくなってしまい,そのために試験の必要性も全くなくなってしまっているかもしれないが・・・

というのは,誰もが同じビッグデータのデータベースにアクセスするので,最新の情報に更新された状態に1秒でも早くアクセスできる者が当然優位になる。みんな同じデータベースを使うので,ちょっとでも優位な企業等だけが生き残り,それ以外の企業は全部一斉に倒産ということになる。

みんな同じビッグデータのデータベースを使うので,発想が同じになってしまう(=貧弱になる)。同じ発想しかないので,知識において優劣関係が発生しない。

そして,データベースにエラーやトラブルがあると,世界中の組織が一斉にコケることになる。

要するに,便利になりすぎて人間社会が崩壊する可能性がある。

ヒトという生物が存在すべき必要性が喪失してしまうのだ。


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